住友化学

概要

住友化学株式会社は、住友グループの大手総合化学メーカーとして、日本国内での重要な地位を占めている。三菱ケミカルグループに次いで国内2位の化学メーカーであり、日経平均株価の構成銘柄の一つでもある。主要な子会社として住友ファーマを有し、広く化学および医薬分野に関与している。

住友化学は、白水会や住友グループ広報委員会に参加し、歴史的には三井住友銀行、住友金属工業（現・日本製鉄）と並び、住友グループの中核的な存在とされてきた。2001年には三井化学との経営統合が基本合意されたが、その後に白紙となった。

会社の主要事業である石化事業は、戦後に米英から生産技術を導入し、愛媛県の新居浜市に拠点を構えたことから始まった。また、広範な農業化学部門も持ち、特に除虫菊由来のピレスロイドの化学合成に成功し、家庭用や園芸用の殺虫剤では世界一のシェアを誇る。さらに、農薬技術を応用した蚊帳（マラリア防除用など）を提供することにより、社会貢献にも積極的に参加している。

海外事業の展開

住友化学は、特に海外市場での事業展開に力を入れており、2010年度からは海外売上高が利益の半分以上を占めるようになった。その草創期は1960年代に遡り、園芸用殺虫剤スミチオンの輸出から始まった。1971年にはシンガポール政府との共同で石油化学コンビナートの建設に着手し、東南アジアでは初のエチレンセンターを持つ設備を運営し、現地経済の成長にも寄与している。

現在では、サウジアラビアの国営企業サウジ・アラムコと共に進めているラービグ計画においても、石油精製と石油化学の一体型コンプレックスを手掛けており、2009年にはエタンからエチレンを精製する世界最大級のエタンクラッカーを運転開始させた。これにより、国際的にも強固な地位を築いている。

主要製品と事業分野

住友化学は多様な事業を展開しており、以下の主要製品がある：

- エッセンシャルケミカルズ
- ポリオレフィン事業
- メタアクリル事業
- ライセンス・触媒事業
- エネルギー・機能材料
- 機能樹脂事業
- 無機材料事業
- 化成品事業
- 電池部材事業
- 情報電子化学
- ディスプレイ関連材料事業
- 半導体材料事業
- 健康・農業関連事業
- 医薬品

これらの製品は、自社の研究所や工場での高度な技術と共に開発されており、特にエッセンシャルケミカルズや農業関連商品が注目されている。また、情報電子やディスプレイ関連の事業においても、スマートフォンやタブレット向けの部材を提供するために韓国に生産工場を展開しており、サムスングループなどとの取引を行っている。

事業拠点

住友化学は、日本国内に多くの工場や研究所を持ち、東京都内に本社を構え、主要工場は愛媛、千葉、大阪などに広がる。国際的にもアメリカ、イギリス、フランス、シンガポールなどに拠点を持ち、グローバルに展開している。

住友化学の沿革は1913年にまで遡り、以来、様々な技術革新や事業展開を経て現在に至っている。2023年時点では286社の子会社および関連会社を持ち、住友グループにおける重要な役割を担っている。

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