ザウバー・C12

ザウバー・C12 (Sauber C12)

ザウバー・C12は、1993年のF1世界選手権に投入されたザウバーの初めてのフォーミュラ1カーです。基本設計は元ティレルのデザイナー、ハーベイ・ポスルスウェイトによって行われましたが、彼が設計を終えると同年にフェラーリに移籍しました。それにより、C12の開発はレオ・レスが中心となり、その後スティーブ・ニコルズやマイク・ガスコインが加わり、全体的な熟成が進められました。この車両は、1993年の開幕戦からシーズン終了まで使用され、最高成績は4位でした。

概要

[ザウバー]]は、スポーツカー世界選手権]での成功を背景に、F1への参戦を決定しました。C12は、初めてのF1車両としての役割を果たすために開発されました。チームは、カーボンファイバー製の軽量[[モノコック構造を持つシャーシを導入するための設備を整えましたが、モノコックの製造はイギリスの会社に委託しています。

当初はアクティブサスペンションの導入も検討されていましたが、国際自動車スポーツ連盟(FISA)からのハイテク技術禁止に関する発表が予想されるため、最終的には搭載が見送られました。そのため、C12はオーソドックスな設計ではありましたが、トラクションコントロールとセミオートマチックトランスミッションを搭載し、高い実戦パフォーマンスを発揮しました。

C12が成功を収めた一因は、イルモア製V10エンジンの軽量かつコンパクトな設計です。このエンジンは、他のチームが使用するV8エンジンよりも25mm短く、マシンの運動性能を高め、全体の性能を大幅に向上させました。また、開発当初はメルセデスの支援を受ける予定でしたが、最終的にはイルモアエンジンが使用されることになりました。

ドライバーとマシン特性

C12には、前年にF1経験を積んだカール・ヴェンドリンガーとスクーデリア・イタリアから移籍したJ.J.レートという二人のドライバーが起用されました。彼らはともに身長が高かったため、コクピットの設計に注意が払われ、特別なステアリングホイールが装備されました。

シーズンオフのテストでは、ウィリアムズに次ぐ速さを記録し、その実力をアピールしましたが、課題としてセミATの信頼性が指摘されました。実際のレースでは、南アフリカGPにおいて2台ともにトップ10グリッドを獲得し、レートは5位に入賞しました。しかし、エンジンの信頼性が足りず、シーズン中盤では多くのリタイアを経験しました。それにもかかわらず、後半戦ではヴェンドリンガーが好成績を収め、コンストラクターズランキングで7位を獲得しました。

スペック

シャーシ

• - シャーシ名: C12
• - ホイールベース: 2,920 mm
• - 前トレッド: 1,690 mm
• - 後トレッド: 1,610 mm
• - マシン全長: 4,450 mm
• - 重量: 505kg
• - クラッチ: ザックス
• - ブレーキキャリパー: ブレンボ
• - ブレークディスク: カーボンインダストリー
• - タイヤ: グッドイヤー

エンジン

• - エンジン名: イルモア2175B
• - 気筒数・角度: V型10気筒・72度
• - 排気量: 3,500cc
• - スパークプラグ: NGK
• - 燃料・潤滑油: エルフ

C12は、そのオーソドックスな設計と高いパフォーマンスで印象を残し、F1の舞台でのザウバーの足がかりとなった車両です。

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