ザウバー・C24

ザウバーC24 (Sauber C24)

ザウバーC24は、2005年のF1世界選手権に向けてザウバーが開発したフォーミュラ1カーです。このマシンは著名なデザイナー、ウィリー・ランプによって設計され、シーズン初戦から最終戦まで活躍しました。また、シーズン終了後には2006年シーズンから使用されるBMWエンジンを載せたテストカーとしても使用されました。

開発背景

ザウバーはこれまでフェラーリのカスタマーエンジンを採用しており、その影響でフェラーリとの強い関係がありました。しかし、C24ではこの路線からの転換が見られました。特に注目すべきは、タイヤメーカーがフェラーリと同じブリヂストンからミシュランに変更された点です。この変更は、ザウバーが独自の技術的進化を目指していることを示しています。

また、C24は2004年に新設された風洞実験装置を利用しており、細部のデザインにおいてもザウバー独自の特徴が強く現れています。例えば、サイドポンツーンのアンダーカットがより大胆になり、シャーシの特性が向上しました。加えて、従来のフェラーリ製ギヤボックスから、ザウバーが新たに設計した自社製のギヤボックスへも移行しています。しかし、フロント周りに関しては、C23のフロントウイングを改良して引き続き使用するなど、一部の要素はそのままとされています。

C24の発表は、ペトロナスとのスポンサーシップ10周年を祝う盛大なイベントとして計画されていましたが、直前のスマトラ島沖地震による影響で中止され、フォトセッションだけの簡素な形でバレンシアテストへと進むこととなりました。

2005年シーズンの走り

2005年シーズンでは、ルノーから移籍したジャック・ヴィルヌーヴとフェリペ・マッサがドライバーを務めました。開幕前には風洞施設に欠陥が見つかり、マシン全体のエアロダイナミクスを修正する必要がありました。初戦のオーストラリアGPでは、天候の影響もあり混乱した予選の中で、ヴィルヌーヴが予選4位を獲得しました。これが2005年でのザウバーの最高予選順位でした。

以降も新型のフロントウイングを第4戦サンマリノGPに投入しましたが、実戦では1度の使用にとどまり、その後は初期のウイングとの併用に戻りました。また、第7戦ヨーロッパGPからは新型のエンジンカウルを導入し、さらにコンパクトなサイドポンツーンへと進化させました。

シーズン中盤の第9戦アメリカGP後、BMWによるザウバーの買収が発表されると、チームはC24の開発から翌年のマシンF1.06の開発へとシフトしました。しかし、ドライバーたちの活躍により、シーズン中には7回の入賞を達成しました。

技術仕様

• - シャーシ名: C24
• - 全長: 4,580 mm
• - 全幅: 1,800 mm
• - 全高: 1,000 mm
• - ホイールベース: 3,100 mm
• - 前トレッド: 1,470 mm
• - 後トレッド: 1,410 mm
• - クラッチ: APカーボンクラッチ
• - ブレーキキャリパー: ブレンボ
• - ダンパー: ザックス
• - ホイール: O・Z
• - タイヤ: ミシュラン
• - ギヤボックス: ザウバー製セミオートマチック（7速）
• - エンジン名: ペトロナス05A (フェラーリTipo055)
• - 気筒数・角度: V型10気筒・90度
• - 排気量: 2,997cc

シーズン中、アメリカGPではミシュランタイヤの安全性問題によりレースを棄権するなどのトラブルもありましたが、全体的には競技力の高いマシンとして記憶されています。

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