ザウバー・C32

ザウバー・C32について

ザウバー・C32は、2013年のF1世界選手権進出のためにザウバーが手掛けたフォーミュラ1カーです。このモデルは特にそのユニークなデザインによって注目され、多くの技術革新が盛り込まれています。

特徴

C32の際立った特徴は、コンパクトなサイドポンツーンです。デザイナーのマット・モリスは、過去のレースで見た事故がこのデザインに影響を与えたと明かしています。特に、2011年モナコGPでセルジオ・ペレスがサイドポンツーンを潰した際の経験が、C32のデザインに“大胆さ”をもたらしたといいます。テスト段階では、冷却機能も問題なく機能していたことが確認されています。

ノーズのデザインにも工夫が施されており、ショルダー部分が滑らかに接続され、中央には段差が残される形となっています。この設計により、ノーズ下の気流がよりスムーズになると期待されています。また、ノーズコーンとモノコックとの接続部分にはスリットが設けられており、これによって吸い込まれた空気が効果的に流れ出し、空力特性を向上させています。

さらに、車体後部の排気系は、従来のザウバーオリジナルの傾斜型から、マクラーレンスタイルのバルジ型へと変更されました。これにより、エンジンの排気効率やダウンフォースに寄与しています。また、カラーリングも前年までのホワイトを減少させ、グレーを基調とした新しいデザインに刷新されています。

スペック

シャシー

• - 材質: カーボンファイバー製モノコック
• - フロントサスペンション: ダブルウィッシュボーン形式
• - リアサスペンション: ダブルウィッシュボーン形式
• - ブレーキ: ブレンボ製6ピストンキャリパー
• - トランスミッション: フェラーリ製7速クイックシフト
• - タイヤ: ピレリ製P Zero

エンジン

• - エンジン: フェラーリ056
• - 排気量: 2,398cc
• - 型式: 自然吸気V8エンジン
• - 重量: 95kg以上

サイズ

• - 全長: 5,240mm
• - 全幅: 1,800mm
• - 全高: 1,000mm
• - 総重量: 640kg（ドライバーを含む、空タンク時）

C32は、ザウバーにとって重要なモデルであり、技術とデザインの両面で革新をもたらした一台といえるでしょう。この車はF1の進化の一環として、レーシングカーの未来に影響を与える存在です。

記録

C32は様々なレースで戦った実績があり、特に注目すべきはそのポールポジション獲得やファステストラップ記録です。レースでは厳しい競争が繰り広げられましたが、このマシンはその性能を十分に発揮しました。

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