ザオ (バンド)

ザオ (Zao)

ザオ（Zao）は、フランスを代表するプログレッシブ・ロック・バンドの一つであるマグマから派生し、1971年に活動を開始したユニークな音楽グループです。そのサウンドは、プログレッシブ・ロックを基盤としながらも、「ズール」と呼ばれる独自の音楽性を追求したマグマの流れを汲みつつ、ジャズやクラシック、現代音楽といった多様な要素を融合させたものでした。

バンドの中心人物は、マグマの初期メンバーでもあったサクソフォーンおよびクラリネット奏者のヨシコ・セファーと、ピアニストのフランソワ・カーン（通称ファトン・カーン）です。彼らはマグマ脱退後、より自由な音楽表現を求めてザオを結成しました。彼らの楽器編成は多様性に富み、サックスやクラリネット、ピアノといったジャズや現代音楽で用いられる楽器に加え、ベース、ドラム、パーカッション、そしてヴァイオリンやチェロといった弦楽器も重要な役割を果たしました。特に、ヨシコ・セファーの管楽器とフランソワ・カーンの鍵盤楽器が織りなす複雑で構築的なアンサンブルは、ザオの音楽の核を成していました。

約四半世紀にわたる活動期間中、ザオはメンバーの変遷を経験しながらも、一貫して実験的な音楽を追求しました。特に注目すべきは、1976年に一時的にマグマの著名なヴァイオリニスト、ディディエ・ロックウッドがバンドに加わった時期です。この強力なラインナップにより、ザオはさらに音楽的な幅を広げ、その年に発表されたスタジオ・アルバム『カワナ』とライブ・アルバム『ライヴ 1976』は、彼らのキャリアにおける重要なマイルストーンとなりました。複数のヴァイオリン奏者やチェロ奏者が在籍した時期もあり、その編成は時に室内楽的な響きをバンドにもたらしました。

ザオは1994年まで活動を続け、その間に6枚のスタジオ・アルバムを含む複数の作品を発表しました。彼らのディスコグラフィは以下の通りです。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

『Z=7L』 (Z=7L) - 1973年
『オシリス』 (Osiris) - 1975年
『シェキナ』 (Shekina) - 1975年
『カワナ』 (Kawana) - 1976年
Typhareth - 1977年
『アケーナトン』 (Akhenaton) - 1994年

ライブ・アルバムなど

『ライヴ 1976』 (Live!) - 1976年
『イン・トーキョー』 (In Tokyo) - 2007年 (活動終了後に発表されたライブ録音)

主なメンバー

活動期間を通じて多くのミュージシャンが参加しましたが、以下に代表的なメンバーを挙げます。

モーリシア・プラトン（ボーカル）
ヨシコ・セファー（サクソフォーン、クラリネット 、ボーカル） - 創設メンバー
フランソワ・カーン（ピアノ、キーボード） - 創設メンバー
ディディエ・ロックウッド（ヴァイオリン、1976年） - マグマ出身の著名なヴァイオリニスト
ジョエル・デュグルノー（ベース）
ジャン・ミ・トゥルォン（ドラム）
ジェラール・プレヴォス（エレクトリックベース）
ピエール・ティブーム・ギニョン（パーカッション）
ミシェル・マルガンド（ヴァイオリン）
マリー・フランソワ・ヴィアウド（ヴァイオリン）
フランソワ・デュッシェ（ヴァイオリン）
クロディーヌ・ラッシェル（チェロ）

ザオは、マグマの強烈な個性を受け継ぎつつも、よりジャズや室内楽的な要素を取り入れることで独自の音楽世界を築き上げました。彼らの作品は、プログレッシブ・ロック、ズール、ジャズ・ロックといったジャンルのファンにとって、今なお探求しがいのある存在として位置づけられています。

外部リンク

* ザオ - Discogs

（上記URLは参照情報として記載しており、記事本文には含みません）

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