ザクセン＝イェーナ

ザクセン＝イェーナ公国 (1672年 - 1690年)

ザクセン＝イェーナ公国は、17世紀後半に存在した、ヴェッティン家エルネスティン系の一家系が統治した小国です。現在のドイツのテューリンゲン州の一部に位置していました。

成立の背景

1662年、ザクセン＝ヴァイマル公ヴィルヘルムが亡くなると、その息子であるヨハン・エルンスト2世ら4人が共同で公国を統治することになりました。当初、領土分割も検討されましたが、当時のザクセン＝ヴァイマル公国の規模では分割は現実的ではありませんでした。

状況が変化したのは、10年後の1672年、ザクセン＝アルテンブルク公フリードリヒ・ヴィルヘルム3世が若くして亡くなり、ザクセン＝アルテンブルク公家が断絶したことによります。フリードリヒ・ヴィルヘルム3世の伯父であるヨハン・フィリップの遺言により、ザクセン＝アルテンブルクはザクセン＝ゴータ公国領となりました。しかし、この遺言が相続争いの火種となり、ザクセン＝ゴータ公エルンスト1世は争いを解決するため、ザクセン＝アルテンブルクの4分の1をザクセン＝ヴァイマルに割譲しました。

これにより、ザクセン＝ヴァイマルは分割相続に適した規模となり、ヨハン・エルンスト2世は弟たちに領土を分け与えました。その結果、ヴィルヘルムの四男ベルンハルトがイェーナを獲得し、ザクセン＝イェーナ公国が創設されたのです。

短命に終わった公国

ベルンハルトは公国創設からわずか6年後の1678年に亡くなり、息子のヨハン・ヴィルヘルムが3歳で公位を継承しました。幼いヨハン・ヴィルヘルムの統治期間中は、ザクセン＝ヴァイマル公ヨハン・エルンスト2世、ザクセン＝アイゼナハ公ヨハン・ゲオルク1世、ザクセン＝ヴァイマル公ヴィルヘルム・エルンストが相次いで摂政を務めました。しかし、ヨハン・ヴィルヘルムが15歳で夭折したことで、ザクセン＝イェーナ公の家系は断絶してしまいます。遺領は1692年にザクセン＝ヴァイマルとザクセン＝アイゼナハの間で分割され、ザクセン＝イェーナ公国は短命な歴史に幕を閉じました。

ザクセン＝イェーナ公

ベルンハルト（1672年 - 1678年）
ヨハン・ヴィルヘルム（1678年 - 1690年）

参考文献

Von Hellfeld, J. A. Ch. Geschichte der erloschenen Herzoglich Jenaischen Linie Herzog Bernhards II zu Sachsen-Jena und dessen Sohn Johann Wilhelm, sammt einer kurzen Biographie der einzigen Prinzessin Herzog Bernhards, Charlotte Marie. Selbstverlag Jena, 1828.
Eckold, P. Das Herzogtum Sachsen-Jena 1672–1690. gedr. Diss. Jena. 1940.
* Lincke, L. Die Kirche von Löberschütz im Gleisetal. Heimatkundeverein "alter Gleisberg" Löberschütz, 2006.

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