ザクセン＝レムヒルト

ザクセン＝レムヒルト公国：短い歴史と領土の変遷

ザクセン＝レムヒルト公国（ドイツ語: Herzogtum Sachsen-Römhild）は、1680年から1710年までの短い期間存在した、ヴェッティン家エルネスティン系が統治した公国です。現在のドイツ、テューリンゲン州のテューリンゲンの森南部の一部を領土としていました。

歴史

公国の成立は、1675年にザクセン＝ゴータ公エルンスト1世が死去したことに端を発します。1680年2月24日、ザクセン＝ゴータはエルンスト1世の7人の息子たちの間で分割され、そのうち四男のハインリヒがザクセン＝レムヒルトを獲得しました。

領土

ザクセン＝レムヒルト公国の領土は、以下の地域から構成されていました。

レムヒルト
ケーニヒスベルク（1683年にザクセン＝ヒルトブルクハウゼンへ割譲）
テマル
ベールンゲンのワイナリー
ミルツの修道院
メスペルブルンのエヒター家の遺産（ヴェッティン家が1665年に獲得）

統治の実態

しかし、公国の統治は名ばかりのもので、実権はハインリヒの長兄であり、ゴータを拠点とするザクセン＝ゴータ＝アルテンブルク公フリードリヒ1世が握っていました。ハインリヒは名目上の君主にとどまり、実質的な政治力は持ちませんでした。

公国の終焉と分割

1710年、ハインリヒが子を残さずに死去すると、ザクセン＝レムヒルト公国は解体され、その領土は以下の4つの公国によって分割されました。

ザクセン＝ゴータ＝アルテンブルク：テマル区の12分の7
ザクセン＝コーブルク＝ザールフェルト：テマル区の12分の5、レムヒルト区の3分の1
ザクセン＝マイニンゲン：レムヒルト区の3分の2
ザクセン＝ヒルトブルクハウゼン：ベールンゲンのワイナリー、ミルツ、エヒター家の遺産

その後

1826年にエルネスティン家の諸公国が再編されると、ザクセン＝レムヒルトの旧領はすべてザクセン＝マイニンゲン領に統合されました。これにより、ザクセン＝レムヒルト公国は完全に歴史の中に埋没することとなりました。

ザクセン＝レムヒルト公

ハインリヒ（1650年 - 1710年）

参考文献

Georg [Karl Friedrich Viktor] von Alten, Handbuch für Heer und Flotte, Band XIII (Berlin, Leipzig, Wien, Stuttgart: Bong & Co., 1913)（ドイツ語）
Hans Patze, Walter Schlesinger (ed.), Geschichte Thüringens, 5. Band, 1. Teil, 1. Teilbd.: Politische Geschichte in der Neuzeit (Cologne: Böhlau, 1982)（ドイツ語）
Verein für Sachsen-Meiningische Geschichte und Landeskunde (ed.): Neue Landeskunde des Herzogtums Sachsen-Meiningen, 9, B, Geschichtliches; Teil 1: Thüringische Geschichte (Hildburghausen: Kesselbring, 1903)（ドイツ語）

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