ザクム油田

ザクム油田：アラブ首長国連邦の主要油田

ザクム油田は、アラブ首長国連邦（UAE）のアブダビ沖合、ペルシア湾内に位置する大規模な油田です。水深12〜18mと比較的浅い海域に位置しており、石油プラットフォームを用いた採掘が行われています。

ザクム油田の開発史

ザクム油田が発見されたのは1963年。その後、下部油層（下部ザクム油田）での採掘が1967年に開始されました。上部油層（上部ザクム油田）は1982年から採掘が開始され、長年にわたりUAEの原油生産を支えています。2004年時点での生産量は、下部ザクム油田が日量22万6千バーレル、上部ザクム油田が日量50万バーレルでした。

日本とザクム油田

日本はザクム油田の開発当初から関与しており、一部権益を保有してきました。2010年代以降、権益契約の満了を迎えるにあたり、油田権益の延長が重要な議題となっていました。2018年3月9日、国際石油開発帝石（INPEX）がアブダビ国営石油会社（ADNOC）との間で、下部ザクム油田の権益を2058年まで40年間延長する契約を締結しました。この契約に基づき、INPEXはアブダビ側に6億ドルを支払い、産出される原油の10%を優先的に調達することが可能となりました。この権益延長は、日本のエネルギー安全保障にとって重要な意味を持ちます。

最新技術の導入

近年では、気候変動への対応と資源採掘の効率化を目指し、油田への二酸化炭素注入による原油回収率向上技術の研究開発が進められています。この技術は、二酸化炭素を地中に貯留すると同時に、原油の回収量を増やすことができるため、環境負荷の低減と資源の有効活用を両立させるものとして期待されています。

まとめ

ザクム油田は、UAEの主要な油田であり、日本のエネルギー政策においても重要な役割を果たしています。日本企業による権益の維持・拡大、そして最新技術の導入により、ザクム油田は今後も安定的な原油供給源として、その重要性を維持していくと考えられます。

関連項目

上部ザクム油田
下部ザクム油田
* 油田の一覧

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