ザバイカル軍管区

ザバイカル軍管区の歴史と役割

ザバイカル軍管区（ザバイカルぐんかんく、ロシア語: Забайкальский военный округ）は、ロシア陸軍や旧ソ連地上軍の重要な軍管区として1935年5月17日に設立されました。管区の主な拠点はチタに置かれ、ブリヤート共和国、チタ州、サハ共和国を含む広大な地域を担当していました。ザバイカル軍管区は1998年12月1日に解隊され、その後シベリア軍管区に統合されました。

この軍管区の設立背景には、満州事変後の日本の軍事力の拡大があります。設立直後、管区はゲオルギー・ジューコフ将軍の指導の下、ハルハ河の戦いに参加。1940年には第16軍を編成し、西方への増派を行いました。他にも第17軍や第12狙撃軍団など多くの部隊が、時代の変遷と共に編成されていきました。

1941年7月22日、ザバイカル軍管区には多様な部隊が所属しており、航空・防空司令部を含む状態でした。この頃は日本の関東軍による攻撃に備えてザバイカル戦線が形成されたほか、第二次世界大戦が勃発すると多くの部隊が西方戦線に転用される状況が続きました。その結果、第57戦車師団や第61戦車師団は1941年に活動を続ける一方、他の多くの戦車師団は初期の戦闘で解隊されてしまったのです。

1945年にソ連が満州に侵攻した後、ザバイカル戦線は解散し、部隊はザバイカル・アムール軍管区に再編成されました。1947年には極東総司令官局が設置され、また、この頃には新たに多くの部隊が地域に配備されていきます。特に1960年代後半には、ソ連と中国の緊張関係を背景に第29軍など新たな部隊が設立され、チタは東シベリアにおける軍の中心地として発展しました。

1988年には、ウランウデに第29軍、ボルジャに第36軍、ウランバートルにはモンゴルに駐留していた第39軍などから成る構成が見られました。モンゴルに駐留していたソ連軍は1989年から1992年の間に撤退したことも特筆すべき点です。この軍管区の航空部門は1949年に第12航空軍から改組され、1980年代末には防空軍と統合されています。

ザバイカル軍管区の指導者は、1945年以降数々の将軍が務めてきました。例えば、1945年から1947年には元帥ロディオン・マリノフスキーが指揮を執り、その後も大将が交代しながら組織は進化していきました。1998年に解隊された際の司令官はニコライ・コルミルツェフ大将で、その役割を終えました。

ザバイカル軍管区は、ソ連の軍事史において重要な役割を果たし、特に戦争や冷戦時代における戦略的拠点として機能していたことが分かります。地域の地理的特性や国際情勢の変化は、この軍管区の発展に大きな影響を与えました。

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