ブリヤート共和国

ブリヤート共和国

ブリヤート共和国（ロシア語: Республика Бурятия、ブリヤート語: Буряад Улас）とは、ロシア連邦を構成する共和国の一つで、バイカル湖の南東部に広がる地域です。首都はウラン・ウデで、人口は約43万4000人です。ブリヤートはシベリア[[連邦管区]]に属していましたが、2018年に極東[[連邦管区]]に移管された特異な歴史を持つ地域です。北側はイルクーツク州、東側にはザバイカリエ地方、南はモンゴル、そして西にトゥヴァ共和国と接しています。国土の大部分はバイカル湖北部の山岳地帯に占められ、自然環境が豊かです。

標準時

地域はイルクーツク時間帯（UTC+8）を採用しており、夏時間は導入されていません。過去には夏時間が適用されていた時期もありましたが、現在は安定した時刻制度が維持されています。

歴史的背景

この地域はもともとモンゴル系のブリヤート人が居住しており、伝統的な牧畜などの生活が営まれていました。1206年にはモンゴル帝国のチンギス・ハーンに服属し、モンゴルの支配を受け続けました。16世紀に入ると、金と毛皮を求めるロシア帝国の影響が強まり、1666年にはウダ川沿いに要塞が築かれ、後にウラン・ウデと名付けられ、この地の中心的存在となります。1689年にはネルチンスク条約により正式にロシア領となり、17世紀中頃からチベット仏教の影響が見られるようになりました。

1917年のロシア革命後、地域は反革命軍の支配を受け、さらに日本のシベリア出兵によって占領されるなど、政治的混乱に見舞われました。1920年にはヴェルフネウジンスクが極東共和国の首都となり、1923年にはブリヤート・モンゴル・ソビエト社会主義自治共和国に組織されました。1945年以降はシベリア抑留の場となり、日本人捕虜が収容されました。1958年にはブリヤート自治ソビエト社会主義共和国に名称変更されました。

ソビエト連邦の崩壊後もブリヤート共和国は独自の道を歩み、1991年には主権宣言を行いました。その後、ロシア連邦共和国の構成体となり、1994年には初の民選大統領が選出されるなど、地域の政治も安定化しました。2018年には再度行政区が改編され、現在に至ります。

民族構成

ブリヤート共和国にはロシア人やブリヤート人が多く居住しており、他にもウクライナ人、エヴェンキ人、トゥヴァ人などの少数民族も存在しています。2010年の時点で、ロシア人が全人口の約60%を占めており、混血も進んでいます。

教育と産業

ブリヤート国立大学が主要な教育機関として位置付けられ、地域の教育水準向上に寄与しています。産業面では鉱業を中心に、機械、木材加工業、軽工業、牧羊業など多岐にわたります。シベリア鉄道の重要な経由地であり、ウラン・ウデはモンゴル経由の中華人民共和国へ至る鉄道の分岐点としても役立っています。

鉱物資源

豊富な鉱物資源も特徴の一つで、タングステン、モリブデン、金、多金属鉱、褐炭、鉄鉱石などが採掘されます。ブリヤートの主権宣言以降は、これらの資源の所有権はロシア政府とブリヤート共和国政府によって共有されています。

行政区分

ブリヤート共和国は、直轄市ウラン・ウデを含む2つの町と21地区から成る行政区分を持ちます。これにより地域の行政が円滑に運営されています。ブリヤート共和国はその独自の文化、歴史、自然環境を持ち、ロシア連邦内で特異な存在感を示しています。

もう一度検索