ザ・ガマン

『ザ・ガマン』とは

『ザ・ガマン』は、1982年頃から1980年代半ばにかけてフジテレビで放送されたバラエティ番組です。主に『火曜ワイドスペシャル』の枠で放送され、キネマ東京（復刻版はスタープロジェクト）との共同制作でした。スタジオの司会は土居まさる、サブ司会は松岡きっこが務めました。

番組内容

番組では、毎回東京六大学の学生たちが大学代表として参加し、国内外のチェックポイントで様々な試練に挑みました。試練内容は度胸試しや我慢比べが中心で、参加者は精神的、肉体的に疲弊しながら、最終的に最も忍耐強い者が決定されます。

予選は日本国内で行われ、本選は東南アジア、ヨーロッパ、アメリカなど、各回ごとに異なるコースで、1回戦ごとに異なる都市で開催されました。番組開始当初は大学対抗戦でしたが、後に個人戦へと変更されました。また、派生番組として女子大生限定の『ザ・ギャルズ・ガマン大会』も制作されました。

過激な内容と終焉

チェックポイントの試練は、下品かつ過激な内容で「低俗番組」と揶揄されましたが、人気は高く、シリーズ化されて年2 - 3回のペースで放送されました。しかし、番組内容がエスカレートし、試練の内容も過激化。1984年2月には、『ザ・ギャルズ・ガマン大会』の撮影中に参加者が熱傷を負う事故が発生するなど、アクシデントや事故が多発し、1986年頃に事実上の打ち切りとなりました。

その後、1995年と1997年12月30日に復活しましたが、かつてのような人気を取り戻すことはできませんでした。

試練の基本パターン

試練は、ゲテモノ食い、灼熱地獄、尻叩き、動物・昆虫を使ったもの、水責め、放尿我慢、断食・断水など、様々なパターンがありました。これらの試練は、チェックポイントの場所にちなんだ独自色をプラスして作られていましたが、無理矢理こじつけられた内容も多く、身体に苦痛を伴うものや度胸試しなものが数多く企画されました。

特に決勝戦で行われた断食・断水は、参加者が極限状態に追い込まれ、リポーターによる悪魔のような誘惑や水着美女による誘惑など、精神的にも追い詰める演出が行われました。

主な出演者

スタジオ司会：土居まさる
サブ司会：松岡きっこ
* コーナー司会：三笑亭夢之助（復活版ではスタジオ司会）

海外での評価

オーストラリア人のテレビ評論家クライブ・ジェームズが、自身の番組で『ザ・ガマン』を紹介したことで、海外でも知られるようになりました。しかし、ジェームズは番組の可笑しさを誇張するため、本来の内容である「大学生の我慢大会」という説明を一切入れず、過激なシーンだけを紹介したため、日本人から批判されることもありました。

類似番組とパロディ

『ザ・ガマン』の人気の高さから、他局でも類似企画が制作・放送されました。『ザ・しごき』、『ザ・ショックきもだめし』、『根性日本一』などがその例です。また、テレビアニメなどでも、この種の番組のパロディが見られます。

その他のエピソード

番組制作において、東大生や慶大生の参加者不足は常に問題となっていました。特に東大生の確保は難しく、法政大学や明治大学の学生を東大枠に入れて収録を行うこともありました。中には、体裁を取り繕うために、明治大学や法政大学の学生を「東大生」に仕立てて番組収録を行っていたというエピソードもあります。

まとめ

『ザ・ガマン』は、過激な内容と大学生が我慢比べをするという異色の内容で、多くの視聴者を魅了したバラエティ番組でした。しかし、度重なる事故やトラブルにより、短命に終わってしまいました。その過激さは現代のテレビでは考えられないほどですが、バラエティ番組の一つの形として、その名を刻んでいます。

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