三笑亭夢之助

三笑亭夢之助について

三笑亭夢之助（さんしょうてい ゆめのすけ、1949年6月5日生まれ）は、元落語家であり、元タレントとしても知られる北海道札幌市出身の芸人です。本名は佐藤信夫で、出囃子には『奴の行列』を使用しました。

経歴の概要

1968年、夢之助は三笑亭夢楽に入門し、前座名として「夢九」を名乗りました。1972年には二ツ目に昇進し、「夢之助」と改名。その後、1983年には、四代目春雨や雷蔵、二代目柳亭小痴楽とともに真打に昇進しました。若手時代から多くの人々と親交を持ち、特に桂米助との関係は有名です。

タレントとしてはアートプロモーションに所属し、2015年頃までは落語芸術協会の理事を務めていました。しかし、2019年頃には同協会を退会し、落語からも引退しました。肺気腫を患い、次第に寄席への出演を減らす中で、講演活動は続ける意向を示していたものの、最終的には名跡を返上し、完全に廃業しました。

テレビ・ラジオでの活躍

夢之助は明るい口調で知られ、特にテレビやラジオ番組の司会者やリポーターとして人気を博しました。その特徴的な口調で視聴者と親しみやすいキャラクターを作り出し、東京都内のテレビ局で多くのレギュラー番組を持ちました。時には本業の落語に専念するためと宣言してテレビから距離を置くこともありましたが、2000年代以降も旅番組やグルメ番組に出演し続けました。

また、彼の本業である落語においては、新宿末廣亭などの寄席に頻繁に登場し、年に二回の独演会を開催するなど、その技術を磨き続けました。代表的な演目には『蒟蒻問答』や『粗忽の釘』などがあり、多くの人々に愛されました。趣味も多彩で、園芸や料理、小物集め、麻雀などを楽しんでいました。

舞台裏の逸話

彼の出生地である南富良野町では、厳しい冬を経験する中で育ちました。その影響か、彼の演目には故郷を懐かしむ要素が見られます。また、父親が東京出身であったため、江戸っ子の文化に触れる機会が多く、これが彼の落語家としての道を志すきっかけとなりました。

1977年から1979年にかけては、日本テレビ系列の『笑点』に大喜利メンバーとしてレギュラー出演しました。彼のスタイルはイロモノ的な一発ギャグが多く、時には失言で番組スポンサーに迷惑をかけることもありました。それもあり、番組には2年間で降板することになりましたが、その後も様々な番組で活躍を続けました。

彼の独創的なスタイルは、『おかあさんといっしょ』のコーナーにも現れ、そこでお兄さんとして一年間活動しました。他にも、彼の名前が冠されたサーブが話題になるなど、彼の存在感は多岐にわたります。

さらに、彼の日常や公演での事例も印象的です。2007年には、手話通訳者が舞台上で待機していた際に、自身の話に集中するため通訳者を客席に移動させるように求め、問題が起きたこともありました。この一件は、彼が落語という表現形式への真摯な姿勢を示すものでした。最後に、芸能界を引退した後も、思い出を語る姿勢を崩さず、古典落語を基にした創作も行っています。

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