ザ・ガード〜西部の相棒〜

映画『ザ・ガード〜西部の相棒〜』の紹介

2011年に公開された『ザ・ガード〜西部の相棒〜』は、アイルランドのブラック・コメディ映画であり、監督ジョン・マイケル・マクドナーのデビュー作です。本作は、倫理観が緩い巡査部長ジェリー・ボイルを中心に描かれた、ユーモアとスリルが交差する物語です。

ストーリー概要

物語の舞台は、アイルランド西部の小さな町コネマラ山地。ここで働くボイル巡査部長（ブレンダン・グリーソン）は、アフリカ系アメリカ人FBI捜査官ウェンデル・エヴァレット（ドン・チードル）と共に、国際的な麻薬取引の捜査に挑むことになります。事件は、5億ドル相当の麻薬が取引されるという大掛かりなもので、ボイルは密売組織に取り込まれた他の警官たちに対抗しなければなりません。

密売組織は取引に関与する警官たちを買収し、ボイルにも賄賂や脅迫を行いますが、彼はその試みを一切無視します。新たに入った同僚は不幸にも殺され、ボイル自身も危険にさらされることとなります。しかし、機知に富んだボイルは、敵のオリーリーから実際の取引地点を聞き出し、緊急の展開に直面します。彼とエヴァレットは、密輸現場に急行しますが、救援の手が差し伸べられることはありません。

二人は密売組織のボス、フランシス・シーヒー＝スケフィントン（リアム・カニンガム）や他のメンバーとの銃撃戦に突入することになります。

キャスト

• - 巡査部長ジェリー・ボイル: ブレンダン・グリーソン
• - ウェンデル・エヴァレットFBI捜査官: ドン・チードル
• - フランシス・シーヒー＝スケフィントン: リアム・カニンガム
• - リアム・オリーリー: デイヴィッド・ウィルモット
• - エイダン・マクブライド警察官: ローリー・キーナン

その他に多彩なキャストが揃い、ストーリーを引き立てます。

製作の背景

マクドナーは、本作の脚本を執筆するにあたり、ジョン・フォードやプレストン・スタージェスのユーモアを取り入れ、1970年代のアメリカ映画に見られるキャラクターの憂愁を反映させました。撮影はゴールウェイ県のスピダルを皮切りに、コネマラ山地、レターマレンなどを巡って行われました。

公開と評価

初上映は2011年1月20日、サンダンス映画祭のワールド・シネマ部門で行われ、その後アイルランド、アメリカ、イギリスでの公開に至ります。特にアイルランドでは、『麦の穂をゆらす風』を超え、最も成功した独立映画となりました。

映画は高評価を受けており、Rotten Tomatoesでは95%の好意的な評価を得ています。批評家たちは、特にブレンダン・グリーソンの演技や、映画技術の洗練さに注目しています。『ハリウッド・リポーター』の批評家は、ボイル役の演技がこの映画を高めていると賞賛しました。また、編集やスコア、カメラワークも好評を博しました。

『ザ・ガード〜西部の相棒〜』は単なるアクション映画ではなく、ブラック・コメディとしての魅力を兼ね備えた作品であり、多くの観客を魅了しました。

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