巡査部長

巡査部長（じゅんさぶちょう）について

巡査部長は、日本の警察官の階級の一つであり、英語では「Sergeant」と呼ばれます。この階級は、警察法第62条に基づいて定義されており、警視総監や警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補に次ぐ位置づけの第8位にあたります。具体的には、巡査部長は警部補の下、巡査の上に位置しており、警察組織における重要な役割を果たしています。

階級の位置と役割

巡査部長は、その職務の中で上司の補佐をし、新任者の指導を行うという実践的な役割を担っています。警察官全体の約30%に当たる約9万人がこの階級に属しており、そのため警察組織の中で相当数の警察官が巡査部長として勤務しています。また、巡査部長は司法警察員としても機能し、重要な意思決定に関与することが求められています。

この階級で注目すべき点は、「巡査部長」という名称は「巡査部の部長」ではなく、あくまでも警察法で定められた階級名であることです。日本の警察には各都道府県警察本部に特定の部門の部長職が存在しており、それらは主に高位の幹部によって占められています。このため、部門の部長と巡査部長は全く異なる意味を持ちます。

任官・昇任

巡査部長になるための過程は、まず都道府県に採用された警察官が巡査としての任務を遂行し、その後2年から4年の間の勤務を経て昇任試験に挑戦することから始まります。制帽は巡査と同じですが、制服の両袖には銀色の斜め一本線の袖章が追加されます。準キャリア組は、国家公務員一般職試験を経て巡査部長として配属されることが多いです。

昇任試験は非常に競争が激しく、倍率が20倍を超えることもあります。試験内容には法学や警察実務、社会常識を問う択一式の筆記試験、論文、面接、逮捕術などの実技試験が含まれ、非常に幅広い知識が求められます。また、一部の都道府県では、特定の専門的な技能を持つ「専門捜査官」が巡査部長として採用される場合もあります。

役職

巡査部長は、警察庁や警視庁、各都道府県の警察本部内において、さまざまな役職に就くことが可能です。具体的には、係員や主任、機動隊や高速道路交通警察隊、機動捜査隊の分隊長や中隊伝令長、交番や駐在所の主任など多岐に渡ります。

諸外国との比較

他国においても、類似の階級体系があります。多くの国では巡査部長に相当する階級体系があり、フランスやドイツなどでは巡査部長がしたから数えて最上級の下士官または准尉と位置づけられています。アメリカやイギリスにおいても同様に、現場のリーダーには「sergeant」という名称が付けられ、その地位に相当する階級章が使用されます。

このように、巡査部長という階級は日本の警察組織において非常に重要な役割を担っており、警察官としてのキャリアの中でも大きな意味を持つポジションです。

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