ザ・ゴリラ

ザ・ゴリラ

『ザ・ゴリラ』は、1979年10月号から1982年12月号まで『月刊コロコロコミック』で連載された刑事漫画です。作者は坂丘のぼるで、この作品は「アクション刑事」あるいは「スーパーアクション刑事」といったサブタイトルを持つこともあります。

概要

この作品は、凶悪犯罪に立ち向かう刑事の姿を豪快なアクションで描いたものです。物語は二部構成で、第1部では城東署の特捜班が舞台となり、続く第2部では影の警察隊「シャドウ」での活躍が描かれています。初めのうちは、野球賭博に絡む悲劇や、私設軍隊による暴走、余命短い老警察犬の復讐といった重いテーマが扱われていましたが、連載が進むにつれ、内容が柔らかくなり、犯人を生け取りにする展開が増えていきました。

特に中盤以降は娯楽要素が強まっており、巨大ロボットとの戦いやギャグシーンも見られるようになります。しかし、第2部に入るとヒロインの死を経てハードなストーリー展開が復活し、最終回は暴力的で暗い結末を迎えます。この作品には警官の手荒な捜査手法や法の限界を超えた行動が描かれ、時に賛否を呼びました。

登場人物

姿 雄一（ゴリラ）

作品の主人公である姿雄一は、城東署の刑事として凶悪犯罪との戦いに挑む姿が描かれています。高身長で muscularな体格を持ち、多国語を操る彼は、様々な武道やスポーツに秀でています。正義感が強い一方で、犯罪者に容赦しない一面もあり、作中ではその手法が一部から批判されます。初回では特異な服装で登場し、物語が進むにつれてそのスタイルが変化する様も描かれています。

森本 理代子（ビーナス）

姿の相棒である森本理代子は、美しさとともに暴力的な一面を内に秘めたキャラクターです。彼女は逮捕術に優れ、姿とのコンビを組むことで二人三脚の関係を築いていきます。荒々しさが時折垣間見えるものの、物語を通じて女性らしさを向上させ、姿との連携を強化していく様も注目のポイントです。

その他のキャラクター

また、物語には多様なサブキャラクターが登場し、それぞれが物語を魅力的にする要素を加えています。悪党たちの攻撃や警察内部の権力闘争、友情や裏切りなど、緊迫した人間ドラマが展開されます。

書誌情報

本作は、コミックパーク・コロコロコミックアーカイブズで復刊されましたが、いくつかのエピソードは未収録となっているため、完全版の入手には難があるかもしれません。全体として、嵐のように描かれるアクションと人間模様が楽しめる作品です。

世代を超えて愛される理由は、ハードボイルドな設定の中に人に寄り添う情熱が描かれているからとも言えるでしょう。『ザ・ゴリラ』は、単なる楽しみを超え、読む者に思考を促す奥深さを持つ作品です。

もう一度検索