ザ・サークル (映画)

映画『ザ・サークル』の詳細

『ザ・サークル』は、2017年に公開されたアメリカのスリラー映画で、デイヴ・エガーズの同名小説を基にしています。監督はジェームズ・ポンソルト、主演にはエマ・ワトソンとトム・ハンクスが名を連ねました。また、この作品はビル・パクストンとグレン・ヘドリーの遺作にもなっています。

ストーリーの概要

物語の中心となるのは、メイ・ホランドという若い女性です。彼女は、親友のアニーの紹介で、世界を席巻するSNS企業「サークル」に就職します。この企業が開発した新たなサービス『SeeChange』は、あらゆる場所に設置された小型カメラを使用し、世界中の個人の行動を追跡することを目的としています。CEOのイーモン・ベイリーは、これにより社会の透明性とアカウンタビリティが向上すると叫びます。

メイは企業に入社し充実した日々を過ごしていましたが、次第に『SeeChange』がもたらす影響に懸念を抱くようになります。さらに、彼女は開発者のタイ・ラフィートと出会い、サークルの情報収集政策が持つ危険性について警鐘を鳴らされます。この出会いを経て、メイは自身の信念や誠実さと向き合うことになります。

友情と裏切り

物語は、メイの友人であるマーサーとの関係を通じて進展します。マーサーは、自身のSNS上の活動により命の危険にさらされ、彼女との距離を置くようになります。メイは彼を助けようと奮闘しますが、同時に企業の理念に惹かれていく自分との葛藤が生じます。彼女の行動が招いた結果によって、彼女の身近な人々がどのように影響を受けているかが描かれます。

透明化とその代償

メイは、イーモンから新たな試みとして自身の生活を全世界に公開する「透明化」としてカメラを装着させられます。これにより、自分が体験する喜びや苦悩が全て人々に共有されることになりますが、彼女は次第にプライバシーを失っていくことに気づきます。特に、親との関係や友人との関係が悪化し、自身が本当に求めるものは何かを模索することになります。

社会への警鐘

映画は、現代におけるSNSや監視社会がもたらす影響を鋭く描写しています。特に、メイの元友人マーサーの悲劇的な死が、SNSの利用が引き起こす危険な側面を如実に表しています。この出来事をきっかけに、メイは自ら行動を起こし、サークルの本来の意図を問い直す姿勢を取ることになります。

キャストと制作背景

映画には、多彩なキャストが参加しており、エマ・ワトソンがメイ役、トム・ハンクスがイーモン役を演じています。その他にも、ジョン・ボイエガやカレン・ギランなど、実力派が揃い踏みです。また、制作には2015年から取り組まれ、主要撮影がロサンゼルスで行われました。

評価と反響

公開後の評価は芳しくなく、批評家からは辛辣な意見が寄せられました。映画のテーマは興味深いが、描写やストーリーの一貫性に欠けているとされ、多くのレビューサイトでも評価が低い結果となりました。しかし、一部の視点からは、現代社会への警鐘として洗練された側面があるとも評価されています。

『ザ・サークル』は、SNSがもたらす便利さの裏に潜む危険を描いた作品であり、鑑賞者に深く考えさせるテーマを提供しています。

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