ザ・スター はじめてのクリスマス

『ザ・スター はじめてのクリスマス』について

『ザ・スター はじめてのクリスマス』（原題: The Star）は、2017年にアメリカで公開されたアニメーション映画で、監督を務めたティモシー・レッカートにとってのデビュー作です。本作では、救世主イエス・キリストの誕生を背景にした心温まる物語が展開されます。日本では劇場公開がなかったものの、2018年にDVDがリリースされました。

ストーリーの概要

物語は、イエスの誕生の9ヶ月前から始まります。聖母マリアが天使により、救世主を身ごもることを告げられ、これをひそかに聞いていたネズミのアビーはこの出来事を周りの動物たちに伝えます。そこから、動物たちの間で救世主の誕生を待ち望む声が高まっていきます。

一方、小麦を挽く仕事に疲れを感じていたロバ・ボーは、キャラバン隊に参加したいという気持ちに駆られ、年老いたロバの助けを受けて農場を抜け出します。そして、マリアとヨセフの家にたどり着くと、彼らは祝宴の席でマリアの妊娠を知ることになります。最初は戸惑うヨセフでしたが、神への祈りを通じて落ち着きを取り戻します。

しかし、ロバのボーはハトのデイヴとの脱走を計画していました。彼らが再び逃げ出そうとした矢先、東方の三博士が悪王ヘロデに会い、新しい王が生まれる場所を探していることを聞かされます。ヘロデは新王誕生の知らせを恐れ、暗殺の計画を練り、兵士と犬を派遣します。

ボーとデイヴは、マリアとヨセフに忍び寄る危機を察知し、追跡を開始します。途中で出会ったヒツジのルースは、ベツレヘムの星に導かれ、救世主を目指そうとしますが、ボーとデイヴは彼女を仲間に加えることはできませんでした。何とかマリアたちに追いついたものの、言葉が通じず危険を警告できずにいました。

考えた末、ボーは混雑した市場へ2人を連れて行きますが、そこでも刺客たちが待ち構えていました。最終的には、ボーが勇敢に兵士を井戸に突き落とすことで、マリアとヨセフを一時的に守ります。しかし、普段の生活では考えられないような騒動を引き起こしてしまい、ヨセフから理不尽な叱責を受ける結果となります。これを機に、ボーは二人の元を離れることを決意し、自分の道を探し求める旅に出ます。

キャスト

本作には、多彩な声優陣が参加しています。主なキャラクターの声を担当するのは、ロバのボーをスティーヴン・ユァン、聖母マリアをジーナ・ロドリゲスが担います。その他にも、様々な動物たちの声を有名な俳優たちが演じており、賑やかな雰囲気を醸し出しています。

製作と音楽

製作は2014年に始まり、2015年にティモシー・レッカートが監督に起用されたと報じられました。サウンドトラックも2017年に公開され、主題歌はマライア・キャリーによって歌われ、多くの注目を浴びました。

評価

映画批評サイトのRotten Tomatoesでの評価は批評家支持率が26%と低く、Metacriticでは43の加重平均値がついていますが、シネマスコアはAという良好な数値が見られました。特に、主題歌『The Star』は第75回ゴールデングローブ賞でノミネートされるなど、一定の評価を得ました。

『ザ・スター はじめてのクリスマス』は、単なる聖劇ではなく、動物たちを通じて描かれる感動的な物語であり、家族で観るのに適した作品です。

もう一度検索