ザ・ストゥージズ

ストゥージズ (The Stooges)

概要

ストゥージズは、1960年代末にアメリカで結成されたロック・バンドで、ガレージロックの先駆者として知られています。このグループのフロントマンであるイギー・ポップは、過激で革新的なパフォーマンスを持ち味としており、後のパンク・ロックやニュー・ウェイヴに大きな影響を与えました。2010年には『ロックの殿堂』に名を刻み、ローリング・ストーン誌の「歴史上最も偉大な100組のアーティスト」では78位に選出されるなど、評価は高まっています。

バンドの成り立ちと初期の活動 (1967年 - 1970年)

ストゥージズは1967年に、イギー・ポップ、ギタリストのロン・アシュトン、ドラマーのスコット・アシュトン（ロンの弟）、そしてベーシストのデイヴ・アレクサンダーの4人によって結成されました。初期の活動時は「サイケデリック・ストゥージズ」と名乗っていましたが、後に「ザ・ストゥージズ」と改名されました。この「ストゥージズ」という名は「ぼけ役」や「まぬけ」を意味します。

1969年、彼らはジョン・ケイルのプロデュースのもと、デビュー・アルバム『イギー・ポップ・アンド・ストゥージズ』をリリースしました。このアルバムは全米で106位にとどまりましたが、それでもメンバーはガレージ・ロックの重要な存在として認識されました。イギーはステージ上での過激な演出が特徴で、観客に強い印象を残しました。アルバムに続いて1970年にはセカンド・アルバム『ファン・ハウス』を発表しましたが、商業的には成功せず、エレクトラとの契約も終了となりました。メンバーはヘロインの影響を受け、活動は一時的にストップしました。

ボウイとのコラボレーションからの変遷 (1971年 - 1974年)

1971年に、イギーはデヴィッド・ボウイと出会い、共にアルバム制作に乗り出します。本来のメンバー構成が変わり、新たなリズム隊が加わることになりましたが、最終的にはアシュトン兄弟も参加しました。1973年には『ロー・パワー』を「イギー・アンド・ザ・ストゥージズ」の名義で発表しましたが、評価は芳しくなく、コロンビア・レコードからの契約も打ち切られました。1974年にバンドは解散の道を辿ります。

解散後の活動 (1975年 - 2002年)

解散後、イギーは他のメンバーとともに新しい音楽を模索し、1977年にはソロ活動を開始。商業的に成功を収める一方で、ストゥージズの影響を大いに受けた多くのアーティストにカバーされ続けました。1997年には『ロー・パワー』を再編集してリリースし、イギー自身がその内容に手を加えました。

再結成とその後 (2003年 - 2016年)

ストゥージズは2003年に再結成し、29年ぶりにオリジナルメンバーが一堂に会しました。2007年には新しいアルバム『ザ・ウィヤードネス』がリリースされ、ファンの間で話題となりました。しかし、メンバーの死去が相次ぎ、ロンは2009年、スコットは2014年、スティーヴは2015年にそれぞれ亡くなっています。2016年、ジェームズ・ウィリアムソンは活動がもはや機能していないことを発表し、実質的な活動停止を告げました。イギーはその後、ソロ活動に専念しました。

メンバーと影響

ストゥージズは、音楽界に多大な影響を与え、後世のバンドからも高く評価されています。彼らのアルバム『ファン・ハウス』や『ロー・パワー』は、現代の多くのアーティストによって最高のアルバムとして挙げられています。ストゥージズの存在は、ガレージロックやパンクの基礎を築いたものとして、音楽史にその名を刻んでいます。

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