ザ・ダークネス (ゲーム)

『ザ・ダークネス』（The Darkness）は、スターブリーズ・スタジオが開発した一人称視点シューティングゲーム（FPS）です。イメージ・コミックから出版されている同名のアメリカンコミックを原作としており、ホラー要素を強く打ち出した作品となっています。

ゲームの特徴

このゲームは、二丁拳銃を駆使したオーソドックスなFPSスタイルに加え、「ダークネス」と呼ばれる闇の力を利用したアクションが特徴です。プレイヤーは、このダークネスの力を借りなければクリアできないイベントに遭遇します。さらに、ダークネスは闇の世界から使い魔を召喚する事ができ、戦闘や謎解きを有利に進めることが可能です。

舞台は現代のニューヨーク市マンハッタンです。プレイヤーは、徒歩や地下鉄を利用してマップ間を自由に移動できますが、ストーリーの進行によっては強制的に移動させられることもあります。ゲーム中には、第一次世界大戦の前線を舞台とした世界に迷い込むという場面も存在します。また、公衆電話の使用やテレビの視聴など、都市生活の雰囲気を味わえる要素も盛り込まれています。マップ内には、メインイベントの他に、通行人からの依頼をこなすサブイベントも多数存在します。


過激な表現と販売規制

本作は、「倒した敵の心臓を喰い千切ってパワーアップする」というグロテスクな要素が含まれており、実際に人間の心臓を食べるシーンは非常に衝撃的です。これらの過激な描写が原因で、一部の国ではパッケージ販売が禁止されました。しかし、日本語版を販売したスパイクは、ローカライズにあたってCERO Z指定（18歳以上のみ対象）とすることで、一切の表現規制を行わないと発表しました。

シンガポールでの販売禁止

当初、シンガポールでも販売が予定されていましたが、表現審査委員会によって過激な暴力表現と宗教的に問題のある場面が確認されたため、発売禁止処分となりました。その後、2009年にはM18（18歳以上のみ対象）指定で販売が可能となりました。

日本語版のフリーズ問題

Xbox 360版の日本語版では、ゲーム中に回避不能なフリーズ現象が複数箇所で発生するという深刻な問題がありました。このフリーズは、最悪の場合、Xbox 360本体を故障させる可能性があり、購入者からは致命的なバグとして多数の苦情が寄せられました。しかし、販売元のスパイクは、このフリーズはソフトウェアの不具合ではなく仕様であり、購入者のハードウェアの問題であると主張しました。そのため、公式ウェブサイトにもフリーズに関する情報は一切記載せず、修正パッチの配布や製品交換、修正版の販売などのサポートも一切行っていません。

その後、エンターブレインの番組内で、スパイクのマーケティング担当者がこの問題について謝罪し、原因の特定と解決策が確定次第発表すると表明しましたが、2012年11月現在でも問題は解決されていません。なお、PlayStation 3版ではこのフリーズバグは発生しません。

ストーリー

主人公のジャッキー・エスタカードは、ニューヨークのマフィア組織に所属する殺し屋です。21歳の誕生日前夜、組織に反抗した建設監督を殺害する任務に向かいますが、途中で警察の襲撃に遭い、たどり着いた建設現場では、育ての親であるマフィアのドン、ポーリーに罠を仕掛けられ、命を狙われます。絶体絶命の状況で、ジャッキーは闇の声に導かれ、ダークネスの力を得て、敵を殲滅します。ジャッキーは自身の身に起こった異変に戸惑いながらも、幼なじみのジェニーを心配し、ポーリーへの復讐を誓います。

主な登場人物

ジャッキー・エスタカード：フランチェッティ・ファミリーの殺し屋であり、本作の主人公。
ポーリー・フランチェッティ：フランチェッティ・ファミリーのドンで、ジャッキーの育ての親。
ジェニー・ロマノ：ジャッキーの幼なじみ。
エドワード・シュロート：ニューヨーク市警察の署長。

用語解説

フランチェッティ・ファミリー：ニューヨークのマフィア組織で、本作の主な敵対勢力。
ザ・ダークネス：暗闇を糧とする力であり、光を苦手とする。ジャッキーの力として召喚される。


このゲームは、ダークな世界観と過激な表現、そして特徴的なゲームシステムが組み合わさった、アクションとホラーを融合させた異色の作品と言えるでしょう。

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