ザ・テンプターズ 涙のあとに微笑みを

映画「ザ・テンプターズ 涙のあとに微笑みを」

1969年3月29日に公開された日本映画「ザ・テンプターズ 涙のあとに微笑みを」は、ヒットした音楽グループ「ザ・テンプターズ」が主演する唯一の映画です。この作品は、彼らの音楽と青春物語を描き、後の個性派俳優、萩原健一の俳優デビュー作としても知られています。

基本情報

本作の製作は佐藤一郎と椎野英之が担当し、脚本は池田一朗が書きました。監督は内川清一郎が務め、撮影には黒田徳三が起用され、美術には小島基司が携わっています。音楽は池野茂によって手掛けられ、多くの楽曲がレコード音源を使用し、一部では萩原健一自らが歌うシーンも見られます。上映時間は83分で、東宝が配給を行っています。

あらすじ

物語は高校生・山川健一が中心となっています。彼は同級生で文化祭の実行委員長である皿井昇からの依頼で「クラス対抗ものまねコンテスト」に参加し見事優勝します。しかし、喜びも束の間、彼は別のクラスの秋元によって大切にしていた黄色いハトのゴローを殺され、深い悲しみに沈んでしまいます。

そんな中、彼の元に新たにスーパーSARAIで働く後輩の原由治が現れます。由治は両親がいないにもかかわらず、明るく前向きな性格であり、彼の言葉に励まされた健一は、自身が本当にやりたいことを考え始めます。それが音楽であると気付いた彼は、由治やノボル、大沢広司、伊部俊夫と共に「ザ・テンプターズ」を結成します。音楽の道を進むことを夢見た健一は華やかなステージでの活躍を期待するようになります。

一方、ノボルの父親と健一の母である久子との関係が進展し、ショーケンはノボルからの驚くべき事実を知らされます。彼は、もし二人の結婚が実現すれば、ノボルとは義兄弟になるということにショックを受けます。この家庭の事情が彼の心に重くのしかかり、家出を決心するのです。彼を待っていたのは恋人の美香と4人の仲間たちで、彼らは自らを売り込むために旅立ちます。

数日後、健一の母の友人である弓枝が彼らを訪れ、健一が知らされなかった出生の秘密が明かされることになります。この秘密が、彼の人生にどのような影響を与えるのかがストーリーの中で大きなポイントとなります。

音楽とキャスト

劇中には「恋の季節」や「涙のあとに微笑みを」といった楽曲が使用され、特に「恋の季節」は萩原本人の生演奏で、映画の印象を強めています。

出演者には、萩原健一が主演を務め、仲間たちとして松崎由治、大口広司、田中俊夫らが名を連ねています。また、彼の母親役には新珠三千代が出演しており、豪華なキャスト陣がストーリーを彩ります。

映像ソフトと同時上映

現在、この映画は東宝からDVDが発売されており、昔の日本の音楽映画の魅力を感じることができます。また、同時に「恋にめざめる頃」が上映されていたことも、当時の映画館での楽しみ方を象徴しています。

この映画は、音楽の情熱と共に、青春の葛藤や家族の絆を描いた作品として、多くの人々に愛され続けています。

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