ザ・トキオ

ザ・トキオとその系譜：羽根モノパチンコの歴史を彩る名機たち

1989年、平和から発売された『ザ・トキオ』は、東京タワーをモチーフにした羽根モノパチンコ機として登場しました。当時としては珍しい、大当たり時に9個までの玉を貯留できる機能が搭載されており、その出玉の多さから人気を博しました。

ザ・トキオの特徴

通常時は、役物である東京タワー（のような建物）が回転しており、Vゾーンが正面を向く瞬間が非常に短いため、大当たりを引くのが難しいという特徴がありました。しかし、一度大当たりすれば、役物内に最大9個までの玉が貯留されるため、完走すれば大量の出玉を獲得することができました。

当時のパチンコ攻略情報誌には、「タワーストップ打法」と呼ばれる攻略法が読者投稿として掲載されました。しかし、この攻略法を投稿した読者が当時高校生であったことが発覚し、物議を醸しました。結果として、攻略法に対する賞金は取りやめとなり、投稿者には高校卒業後に奨学金が贈られました。

シリーズ機

『ザ・トキオ』の兄弟機として、『ニュートキオ』や『ニューヨーカー』が存在します。

『ニュートキオ』（1991年）：大当たり中の貯留玉数が7個に減少したものの、「タワーストップ打法」に対する対策が施されています。
『ニューヨーカー』（1992年）：タワー役物が自由の女神像に変更された機種です。貯留玉解除からV入賞までの間にチャッカーに玉が入賞すると、再度1ラウンド目から大当たりが始まるという特徴があります。ただし、1回開放時の開放時間が約0.2秒と非常に短い設定となっています。

シリーズの進化

2012年には、アムテックスから『CRA TOKIO DELUXE』が登場しました。この機種では、タワー役物が東京スカイツリー風にデザインされ、サブ役物として「ミニタワー」が搭載されました。ミニタワーをうまく通過すると、V入賞の期待度が高い「スペシャルルート」に移行します。Vゾーンを通過した玉は、リフトで役物の中段または最上部まで移動し、各ステージでラウンド数が振り分けられます。

その後も、『CRA TOKIO PREMIUM』（2015年）、『CRトキオスペシャル』（2018年）、『Pトキオブラック』（2019年）と、様々なスペックや特徴を持った機種が登場しました。

『CRA TOKIO PREMIUM』（2015年）：タワー役物のデザインが反転し、「女神ルート」が復活しました。また、Vゾーン通過時、回転体のくぼみに入ることで7R以上が濃厚となる「直行ルート」が搭載され、回転体には過去に平和が販売した羽根物『ブンブン丸』のキャラクターが描かれています。
『CRトキオスペシャル』（2018年）：「直行ルート」「女神ルート」は廃止され、新たに上下可動体が追加されました。ラウンド中は下アタッカーで消化するようになりました。
『Pトキオブラック』（2019年）：一発台バージョンとして登場しました。
『Pニュートキオ』（2021年）：P機として羽根モノタイプのトキオが導入されました。「ハカマタイプ」と「ヘソタイプ」の2種類があります。ヘソタイプはオトシに入りづらく、羽根の開放時間が短いなど、ハカマタイプと比べて難易度が高くなっています。

スペック一覧

以下に、各機種の主なスペックをまとめます。

『ザ・トキオ』（1989年）：賞球数13、8R・8C。
『ニュートキオ』（1991年）：賞球数8&15、15R・8C。
『ニューヨーカー』（1992年）：賞球数7&15、15R・10C。
『CRA TOKIO DELUXE』（2012年）：賞球数5&10、3or7or16R・9C（CRAトキオ・デラックスB）。賞球数7&8、3or7or16R・9C（CRAトキオ・デラックスDS、ダイナム専用スペック）。
『CRA TOKIO PREMIUM』（2015年）：賞球数4&10、3or7or16R・9C。
『CRトキオスペシャル』（2018年）：賞球数3&4&7&10、3or7or16R・8C。
『Pトキオブラック』（2019年）：賞球数2&3&5&6&14、10R・9C（4回1セット）。
『P ニュートキオ』（2021年）：賞球数5&14(ヘソの場合は5ではなく4)、3or5or10R・9C


『ザ・トキオ』から始まったトキオシリーズは、その独特なゲーム性と豊富なバリエーションで、多くのパチンコファンを魅了し続けています。

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