羽根モノ

羽根モノ：パチンコ史に残る独特なゲーム性

羽根モノは、かつてパチンコ機に分類されていた「第2種」と呼ばれるタイプの遊技機です。2004年7月の規則改正まではこの分類が用いられていましたが、現在でも「旧第2種」と呼ばれることがあります。

羽根モノの特徴は、台の下部に設置された開放チャッカーに玉が入賞すると、中央の役モノが作動し、その内部にあるV入賞口（Vゾーン）に玉が入れば大当たりとなる点です。デジパチや権利物機とは異なるゲーム性が人気を集めました。

羽根モノの誕生と進化

1981年、平和工業から発売された『ゼロタイガー』は羽根モノの原型と言われています。当初は1ラウンドで大量入賞が可能な仕様でしたが、規制を受け、1ラウンドの入賞数に制限が設けられました。

1986年、『ビッグシューター』（平和工業）が登場し、役物内部に球を貯留する機構が搭載されました。この貯留機構により、大当たり中の継続が容易になり、機種の進化を促しました。さらに、ラウンド間のインターバルを利用したダブル・トリプル当たりなどの要素も登場し、ゲーム性はより複雑で魅力的なものへと変化を遂げました。

1990年の内規改定では、羽根モノの最大継続ラウンド数や最大払い出し数が引き上げられ、需要の拡大に繋がりました。しかし、V入賞率の低い大量出玉タイプと、V入賞率は高いものの出玉にバラつきのあるタイプという、二極化が進みました。

ラウンド振り分けと人気低迷

1993年、京楽産業.から発売された『たぬ吉君2』は、最大継続ラウンド数をデジタル演出で事前に決定する、ラウンド振り分け機能を搭載した機種でした。この機能は多くのメーカーに採用され、新たなゲーム性をもたらしました。しかし、同機は極端に確率が低いにも関わらず、15ラウンドが連チャンする可能性があり、社会的不適合機に指定されたこともありました。

その後も、ラウンド振り分け機能を持つ機種が多数登場しましたが、保留連荘機やCR機の登場により、羽根モノの人気が急降下しました。1回の大当たりあたりの出玉が少なく、大勝ちしにくい点が、デジパチに比べて不利に働いたのです。

規制緩和と新たな潮流

2005年の規則改正では、羽根モノは従来のVゾーン入賞の必要がなくなり、決められたラウンドまで進む仕様となりました。時短機能を搭載した機種も登場し、人気回復の兆しが見え始めました。

また、過去の人気機種のリメイク版も販売され、手軽に遊べる羽根モノが再び注目を集めています。平和工業の『ザ・トキオ』をリブートしたアムテックスの『CRAトキオデラックス』は、アナログ演出を取り入れたヒット作となり、シリーズ化されました。

デジパチとの融合

2004年7月の規則改定で、パチンコ機の区分が廃止されたことで、デジパチと羽根モノを融合した機種が登場しました。羽根モノがメインでデジパチの大当たりがオマケ程度の機種や、デジパチがメインで、特定の条件下で羽根が開く機種など、様々なタイプが開発されました。サミーはデジパチと羽根モノを融合した機種を「Vデジ」と呼んで、複数の機種を発表しました。しかし、大当たり継続率の高い機種の登場により、射幸心を抑制するための自主規制が設けられることになりました。

羽根モノの現在

かつてパチンコ業界を席巻した羽根モノは、デジパチ全盛の時代を経て、現在ではその数は減少しています。しかし、根強い人気と、新たな進化を続けることで、ニッチながらも存在感を保ち続けています。手軽な遊びやすさと、独特のゲーム性から、今後も一部のマニア層を中心に支持され続けるでしょう。

主なメーカー

SANKYO、西陣、大一商会、京楽産業.、ニューギン、マルホン工業、奥村遊機、三洋物産などは、かつて羽根モノの開発・販売で大きな役割を果たしました。特に西陣は、羽根モノの最大手メーカーとして知られています。

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