ザ・ビッグプロレスリング

ザ・ビッグプロレスリング (THE BIG PRO WRESTLING!)

『ザ・ビッグプロレスリング』は、テクノスジャパンが1983年に開発したアーケード向けプロレスゲームです。このゲームは、従来のアクションゲームとは一線を画し、プロレスをテーマにした全く新しい形式のゲーム体験を提供しました。日本国外では「Tag Team Wrestling」というタイトルで知られ、1986年にはApple IIやコモドール64といったプラットフォームへの移植も行われ、多くのゲーマーに親しまれました。また、1985年にはナムコからファミリーコンピュータ用ソフト『タッグチームプロレスリング』としてもリリースされています。

概要

本作は世界初のプロレスを題材にしたコンピュータゲームであり、新日本プロレスと全日本プロレスからの正式な承認を受けて制作されています。ゲームスタート時にはレスラーたちが入場し、アントニオ猪木のテーマ曲「炎のファイター」が流れる演出が施されています。試合前にはリングアナウンサーによる選手紹介もあり、その場面を盛り上げる要素となっています。また、このゲームは体力ゲージが減少することでレスラーの動きが鈍くなり、場外乱闘や無作為に乱入するレスラーなど、プロレスのリアルな要素も取り入れられています。

ゲームシステム

『ザ・ビッグプロレスリング』は、タッグマッチを中心に構成されています。プレイヤーは「ジェミニブラザーズ」のサニーとテリーを操作し、コンピューターサイドはブラッディ・マスクとマッド・ブル・ジャイアントとなって対戦します。試合の際、攻撃を行うためには一定のボタン連打が求められ、タイミングを逃すと反撃を受けることになります。特に、マッド・ブル・ジャイアントは特定の強力な技を避けることができるため、攻撃タイミングの見極めが重要です。

さらに、リングにいるレスラーが怒りの状態になると、必ず攻撃を受けることになります。この怒りの状態は難易度が上がるにつれて発生までの時間が短くなるため、戦略的なプレイが要求されます。プレイヤーは体力を消耗しつつ、タイミング良く仲間と交代し、ライバルを倒すことが求められます。

勝利条件

プレイヤーの目標は、相手の体力を減少させ、フォールやギブアップで勝利を収めることです。体力ゲージが尽きると負けとなるため、交代などの戦略を駆使する必要があります。特に、コブラツイストを掛けることでのギブアップ勝利や、場外乱闘で相手をリング外に出すといった特殊勝利条件もあります。

場外乱闘システム

場外では特定の技を決めることで興奮度を上げ、敵に攻撃を仕掛けることが可能です。また、場外乱闘中にはセコンドのレスラーが登場して、プレイヤーが攻撃を受けることもあるため、非常に緊張感のある展開が楽しめます。

移植版と評価

ファミリーコンピュータ版も登場し、プロレスのアクションを斜め視点で体感できる形式が取られました。こちらはタッグ戦を重視した内容となっており、プレイヤーが多彩な技を駆使し、対戦するスタイルが楽しめます。ゲーム誌ではカテゴリ別に評価が行われ、様々な評価を受けましたが、特にそのシステムにおいて深みが増した点が高く評価されており、今なお多くのファンに語り継がれています。

このように、『ザ・ビッグプロレスリング』は、そのユニークなプロレステーマの実現により、ゲーム業界における新たな地平を開いた作品であり、現在のプロレスゲームにおいてもその影響は色濃く残っています。

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