ザ・ファントムギフト

ザ・ファントムギフトは、1984年に結成された日本のニュー・ウェイヴ系ロックバンドです。1980年代の「ネオGS」ムーブメントの中心的な存在として、その名を刻みました。彼らの音楽は、1960年代のグループ・サウンズ（GS）やガレージパンクに影響を受けつつも、独自のスタイルを確立しました。

結成から活動停止まで

1984年、ザ・ファントムギフトは、ザ・ダイナマイツの「トンネル天国」や、GS、欧米の60年代サイケ/ガレージパンクのカバーバンドとして活動を開始しました。1985年には自主制作盤「ジェニーは嘘つき」、1986年には「夜空に消えたシンデレラ」をPLAYMATE RECORDSからリリース。1987年3月10日には、高護率いるソリッドレコードから自主制作サードシングル(EP)「魔法のタンバリン」を発表。同年秋にはミディからアルバム「ザ・ファントムギフトの世界」でメジャーデビューを果たしました。

メジャーデビュー後、小西康陽と共同アレンジしたシングル「ハートにOK! / 太陽とベロニカ」をリリースしましたが、レコーディングされた2ndアルバム「ザ・ファントムギフトの奇跡」は発売が見送られ、メジャーからのリリースはこの1枚のみとなりました。

1988年には、ソリッドレコードのコンピレーション・アルバム「ソリッドレコード夢のアルバム」に、新曲「ドゥビ・ドゥビ」で参加。泉アキをリードボーカルに迎え、バンドが編曲、演奏、コーラスを担当しました。しかし、1989年、メンバーのピンキー青木の脱退を機に、バンドは活動を停止しました。

再結成から活動休止まで

活動停止後の1993年、ミディから1stアルバム「ザ・ファントムギフトの世界」がCD再発売されました。2003年11月15日には、幻の2ndアルバム「ザ・ファントムギフトの奇跡」に未発表レア・トラックを追加した同名アルバムがソリッドレコードからリリースされ、同年12月13日には再結成ライブを行いました。

彼らの楽曲は、後世のアーティストにも影響を与え、「魔法のタンバリン」はLes 5-4-3-2-1やサリー・ソウル・シチューによってカバーされています。また、「ハートにOK!」も平山みきをボーカルに迎えてカバーされ、デビューシングル「ジェニーは嘘つき」は、ピンキー青木率いるLA MONSTER VIOLENTAによってセルフカバーされ、オーストラリアでリリース、ピンキー青木のソロアルバムにも収録されました。

2022年12月21日には、「一色萌とザ・ファントムギフト」名義で「ハートにROCK!」をリリース。ナポレオン山岸、サリー久保田、チャーリー森田が演奏に参加し、ザ・ファントムギフト名義としては35年ぶりのレコーディングとなりました。

しかし、2024年、オリジナルメンバーであるピンキー青木が死去。さらに、サリー久保田が脱退を表明したことにより、バンドは活動休止となりました。

ディスコグラフィー

シングル
ジェニーは嘘つき / ベラドンナの伝説 (1985年、PLAYMATE RECORDS)
夜空に消えたシンデレラ / トンネル天国 (1986年、PLAYMATE RECORDS)
魔法のタンバリン (1987年3月10日、ソリッドレコード)
ハートにOK! / 太陽とベロニカ (1987年、ミディ)

アルバム
ザ・ファントムギフトの世界 (1987年、ミディ / 1993年CD再発売)
ザ・ファントムギフトの奇跡 (2003年、ソリッドレコード)

コンピレーションアルバム
ソリッドレコード夢のアルバム (1988年6月25日、ソリッドレコード) - 「ドゥビ・ドゥビ」で参加

関連事項

ヒッピーヒッピー・シェイクス
ザ・コレクターズ
ザ・ストライクス
ワウワウ・ヒッピーズ
レッド・カーテン
マディ・ランプス
グループ・サウンズ
週刊FM - 1987年夏頃に特集記事が組まれた事がある。

脚注

出典

外部リンク

NAPOLEON YAMAGISHI - ナポレオン山岸公式サイト
* ザ・ファントムギフト - Yahoo! ミュージック（ウェイバックマシン）

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