高護

高護：日本の音楽シーンを彩るキーパーソン

高護（こう まもる）氏は、1954年東京都生まれの音楽評論家、音楽プロデューサー、雑誌編集者、そして実業家です。日本の音楽史に多大な貢献を果たした人物として知られており、その活動は多岐に渡ります。特に、日本のロック、歌謡曲、グループサウンズ（GS）の復刻・再発においては、第一人者と言えるでしょう。

雑誌編集者としての活動

高護氏のキャリアは、1982年創刊の邦楽系廃盤レコード専門誌『季刊リメンバー』から始まります。同誌は、忘れ去られかけていた貴重な音楽資料を発掘、紹介する役割を果たし、音楽ファンの間で大きな反響を呼びました。黒沢進氏らとの共著『定本ジャックス』など、同誌をきっかけに生まれた書籍も多数存在します。その後、2005年には「日本の映画とロックと歌謡曲」をテーマにした雑誌『HOTWAX』を創刊、編集長を務めました。

音楽プロデューサーとしての活動

1986年、高護氏はSFC音楽出版株式会社（現・株式会社ウルトラ・ヴァイヴ）を設立、同時にレコードレーベル「ソリッドレコード」を立ち上げます。同レーベルからは、はっぴいえんど、はちみつぱい、頭脳警察といった、日本の音楽史に名を残すアーティストたちの音源が多数リリースされました。これらアーティストの音源の発掘、再発、そして新たな音源の制作を通して、高護氏は日本の音楽シーンに多大なる影響を与えました。また、近田春夫、サエキけんぞう、パール兄弟などのアーティストのプロデュースも手がけています。

高護氏が手がけたアーティストは、GSから歌謡曲、そしてニューミュージックまで多様なジャンルに広がりを見せます。その中には、忘れられた名曲や、未発表の貴重な音源も含まれており、それらを発掘、世に送り出すことで、日本の音楽史の空白を埋める役割を果たしました。さらに、URCレコード、ベルウッドレコード、ニューモーニングレコード、プロペラレコード、キャプテンレコードといった、日本の音楽シーンを支えてきたレーベルの音源のCD復刻にも携わっています。

実業家としての活動

高護氏の活動は、音楽制作にとどまりません。SFC音楽出版株式会社（現・株式会社ウルトラ・ヴァイヴ）の代表取締役として、日本の音楽業界を舞台に、数々の事業を展開してきました。同社は、現在も日本の音楽シーンにおいて重要な役割を担っており、高護氏のビジネスセンスと音楽への深い愛情が結実した結果と言えるでしょう。

その他の活動

高護氏は、音楽プロデューサーとして映画音楽にも携わっており、本田隆一監督、若松孝二監督作品のプロデュースを手掛けています。また、筒美京平、漣健児といった作曲家の作品集の監修、そして関連書籍の執筆など、その活動は多岐に渡り、日本の音楽文化の発展に大きく貢献しています。

高護氏の功績

高護氏の活動は、単なる音楽ビジネスの枠を超えた、日本の音楽文化を継承し発展させるための重要な取り組みです。数多くのアーティストを世に送り出し、忘れ去られかけていた貴重な音楽資料を後世に残すことで、日本の音楽シーンに大きな足跡を残しました。その功績は、日本の音楽史に長く記憶されることでしょう。

主要作品

主なディスコグラフィ

多数のアーティストのアルバム、シングルプロデュース

主なビブリオグラフィ

『歌謡曲 時代を彩った歌たち』（岩波新書）
『定本ジャックス』（共著）
『定本はっぴいえんど』（共著）
『漣健児と60年代ポップス』（監修）
『新しい音楽 漣健児とカヴァー・ポップス』（寄稿）

高護氏の活動は、これからも日本の音楽シーンを豊かに彩り続けることでしょう。

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