ザ・モスクワ・タイムズ

モスクワ・タイムズの概要

モスクワ・タイムズは、1992年にオランダ人ジャーナリスト、ダーク・ザウアーによってモスクワで創刊された英語とロシア語のオンライン新聞です。フィンランドのサノマグループが所有しており、ロシア国内外の読者に向けて情報を提供しています。創刊当初は週2回発行でしたが、数ヶ月後には日刊紙となりました。ロシア初の西側向け日刊紙として、プラウダの旧本社を拠点に活動を開始しました。

発行形態の変遷

創刊から2017年まではフリーペーパーとして、モスクワのホテル、カフェ、レストランなどで配布されていました。定期購読も可能でした。しかし、2017年以降はオンライン版のみの発行となり、紙媒体での提供は終了しました。当初は英語版のみでしたが、2020年からはロシア語版もオンラインで提供されるようになりました。

運営体制と報道姿勢

モスクワ・タイムズは、創刊者のザウアーがオランダ人で、拠点がオランダにあること、フィンランド資本であることから、ロシア連邦政府に対して批判的な記事が多いことで知られています。その報道姿勢は、西側メディアの論調と共通する部分が多く、ロシア国内の政治や社会情勢に関するニュースを独自の視点で伝えています。

所有権の変遷

創刊から2005年までは、インディペンデント・メディアが所有していました。この出版社は、ロシア語日刊紙ヴェドモスチやサンクトペテルブルク・タイムズ（モスクワ・タイムズの姉妹紙）、FHMやMen's Healthなどの高級雑誌も発行していました。2005年にインディペンデント・メディアはサノマに買収され、モスクワ・タイムズもサノマの傘下に入りました。

報道内容の特徴

モスクワ・タイムズは、ロシア人ジャーナリストによる記事も掲載しており、ロシアの様々な側面を伝えています。2009年には、ロシア在住の外国人による「初心者向けのロシア：外国人向けロシアガイド」を出版し、外国人読者のロシアでの生活をサポートしました。

近年の動向

2022年には、ウクライナ戦争の影響を受け、モスクワから創設者の祖国であるオランダに拠点を移転しました。さらに2024年7月には、ロシアの検察当局から「好ましくない組織」に指定され、ロシア国内での活動が制限される状況となっています。モスクワ・タイムズは、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンと提携しており、国際的なニュースネットワークを通じて情報発信を続けています。

姉妹紙と外部リンク

姉妹紙には「ザ・サンクトペテルブルク・タイムズ」があり、こちらもサノマが所有しています。

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