オンライン新聞

オンライン新聞とは

オンライン新聞（ウェブ新聞）は、インターネットを通じて配信される新聞です。印刷された新聞とは異なり、ウェブサイトやアプリを通じてニュース記事を読むことができます。オンライン新聞には、従来の新聞のオンライン版と、オンラインのみで運営されるものがあります。また、インターネットだけでなく、ネットワークを介して提供される新聞もオンライン新聞と広義に捉えることができます。

オンライン化により、新聞は速報性を高め、テレビなどの放送ジャーナリズムに対抗できるようになりました。また、信頼性やブランド力といった従来の新聞の強みを生かしつつ、コスト削減の可能性も期待されています。

オンライン新聞の歴史

オンライン新聞の先駆けは、1974年にイリノイ大学のPLATOシステムで作成された『News Report』です。1980年代には、ブラジルの新聞『Jornaldodia』がエンブラテルのネットワーク上で配信を開始し、1990年代にはインターネットへと移行しました。

1990年代末には、多くの米国の新聞がオンライン版を公開しましたが、インタラクティブな機能はまだあまり利用されていませんでした。1995年には、イギリスの『Weekend City Press Review』が週刊ニュースのオンライン要約を開始しました。

英米におけるオンライン新聞の発展

オンライン新聞は、法的には印刷された新聞と同様に扱われ、名誉毀損や著作権などの問題において法的規制の対象となります。イギリスでは、報道苦情処理委員会（PCC）の規制対象であるとともに、データ保護法も適用されます。

オンライン新聞の記者には、ビデオ撮影やオンラインに適した記事作成スキルが求められます。多くの記者がブログの書き方を学び、オンラインジャーナリズムの発展に貢献しています。一部の新聞社は、印刷とオンラインの両方で記事を配信したり、広告を掲載したりするなど、両媒体の連携を試みていますが、印刷版とは全く異なるウェブサイトを運営する新聞社もあります。

2006年時点では、多くの新聞社がウェブサイトで無料でコンテンツを提供していました。しかし、閲覧料を徴収せずにウェブサイトから収益を上げる方法を模索する中で、『ウォール・ストリート・ジャーナル』などの専門的な新聞が有料課金に成功しました。

近年では、『ガーディアン』がポッドキャストを配信したり、『インデペンデント』が完全にオンライン化するなど、様々な試みが行われています。

日本におけるオンライン新聞

日本では、新聞社が提供するニュースサイトを「ニュースサイト」と呼ぶことが一般的です。朝日新聞は1995年から「アサヒ・コム」でニュースを提供し、読売新聞は「ヨミウリ・オンライン」を運営しています。産経新聞は過去に「E-NEWS」という文字情報サービスを提供していましたが、普及が進まず短期間で終了しました。

その他の国々におけるオンライン新聞

インドでは、『ザ・タイムズ・オブ・インディア』などの主要紙がオンライン版で最新ニュースを配信しています。オーストラリアでは、『オーストラリアン』などの新聞社がオンライン版を提供しています。チリの『The Santiago Times』は、完全にオンライン化しています。

オンラインのみの新聞

オンラインのみの新聞は、印刷媒体を伴わない独立した存在です。イギリスの『Southport Reporter』は、週刊の地域新聞としてオンラインでのみ発行されており、ジャーナリスト全国組合などからも新聞として認められています。アメリカの『Atlantic Highlands Herald』も1999年からオンラインのみで運営されています。

伝統的な新聞のビジネスモデルが崩壊する中、地域紙や全国紙がオンラインのみの新聞への移行を試みる例が増えています。アメリカの『Seattle Post-Intelligencer』は、2009年に印刷版を廃止し、オンラインのみに移行しました。スコットランドの『Caledonian Mercury』やヨークシャー州の『The Yorkshire Times』も同様の動きを見せています。

オンライン通信社であるサウスイースト・テキサス・インベスティゲイツは、有料購読者ベースの低コストなモデルで、地域のニュースを提供しています。また、CNETやTechCrunchのような技術系ニュースサイトもオンラインで成功を収めています。

日本では、『JanJan』や『オーマイ[[ニュース]]』のような市民記者中心のインターネット新聞もありましたが、現在はいずれも閉鎖または休刊しています。日本語では「電子新聞」、「オンライン新聞」、「インターネット新聞」という言葉が区別されずに使われることもあります。

ハイブリッド新聞

オンライン新聞が基本でありながら、少数の印刷版を発行するハイブリッド型も存在します。例えば、annarbor.comはオンライン新聞ですが、週に2回印刷版も発行しています。

ソフトコピーの「ニュースシート」

1～2ページの短い新聞は「ニュースシート」と呼ばれ、オンライン版も存在します。ニュース中心で、定期的に更新される点は、他のオンライン新聞と同様に見なされます。

オンライン新聞は、技術の進歩と共にその形を変えながら、現代社会において重要な情報源となっています。今後も多様な形態で発展を続けると考えられます。

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