ザ・モーションコミック

ザ・モーションコミック

『ザ・モーションコミック』は、かつて徳間書店が刊行していた漫画雑誌です。アニメーターが漫画を描くという、当時としては斬新なコンセプトで注目を集めました。

概要

1983年1月20日に『アニメージュ』の増刊として創刊されました。当初は季刊としてVol.1からVol.4まで発行され、Vol.5からは隔月刊へと移行しています。

『アニメ感覚の新しいコミック』というキャッチコピーを掲げ、アニメーターを起用して漫画を制作するという、それまでにない試みに挑戦しました。アニメーションの表現手法を漫画に取り入れることで、新たな表現の可能性を追求したと言えるでしょう。

本誌から生まれた代表的な作品としては、『アモン・サーガ』（作：夢枕獏、画：天野喜孝）や『バース』（金田伊功）などが挙げられます。これらの作品は、後にアニメ化もされ、より多くのファンを獲得しました。

しかし、1985年2月1日のVol.11をもって休刊となりました。短命に終わったものの、その革新的な試みは、後の漫画界に少なからず影響を与えたと考えられます。

主な掲載作品

トラブル専科（いづぶちゆたか）
GBボンバーII（いのまたむつみ）
バース（金田伊功）
アモン・サーガ（作：夢枕獏、画：天野喜孝）
あいのモーションシアター（なにわあい）
HALまきべんとう（美樹本晴彦）
Unbalance angle ミナミ（湖川友謙）
無敵少女ラミー（作：石川賢、画：平野俊弘）
夢の中へ（なかむらたけし）
ひらきなおってマイヒーロー（越智一裕）
ほちょっぷてん・すたじお（芦田豊雄）
くあ★TEROのロードショー（くあ★TERO）
オレンジトリップ0926（服部あゆみ）
ザ・リバイバル・オブ・マジンガースピリット（榎本明広）
* P・A・O&BOY（湖川友謙）

これらの作品群は、アニメーターならではの視点や表現が盛り込まれており、他の漫画雑誌とは一線を画す独特な魅力を放っていました。

モーションブックス（漫画単行本レーベル）

本誌には、『モーションブックス』という独自の漫画単行本レーベルが存在しました。しかし、このレーベルから出版された作品はごく一部に限られており、本誌に掲載された多くの作品は単行本化されないままとなっています。これらの作品の復刊を望む声も少なくありません。

『ザ・モーションコミック』は、短い期間での休刊となりましたが、アニメーターによる漫画という新しい可能性を示し、その後の漫画界に大きな影響を与えた雑誌として、記憶されるべき存在と言えるでしょう。

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