越智一裕

越智一裕

越智一裕（おち かずひろ）は、1962年生まれ、岐阜県出身のアニメーター、アニメーション監督、そして漫画家として多彩な才能を発揮している人物です。

経歴

越智氏は、グリーン・ボックス出身で、16歳という若さでアニメーターとしてのキャリアをスタートさせました。アニメーターの金田伊功に師事し、その薫陶を受けました。高校在学中からアニメーターを志し、タツノコプロへの入社を目指して上京するも、当時は社長の急逝という状況で入社を断念。その後、『闘将ダイモス』の監督であった長浜忠夫に手紙を送り、日本サンライズ（現サンライズ）を見学した際、作画監督の金山明博から「新人」として売り込むようにアドバイスを受け、グリーン・ボックスの面接を経て採用されます。

グリーン・ボックスでは、『宇宙魔神ダイケンゴー』、『科学忍者隊ガッチャマンII』、『ザ☆ウルトラマン』などの動画を担当。その後、かねてからの憧れであった金田伊功に師事し、スタジオZに移籍。『くじらのホセフィーナ』や『機動戦士ガンダム』などの動画を担当しました。スタジオZ解散後は、金田氏とともにスタジオNo.1に移籍し、1980年の『太陽の使者 鉄人28号』で初原画を担当しています。

1981年には、『六神合体ゴッドマーズ』で作画が注目され、「No.1アクション」と称されました。メカ・アクション作画だけでなく、美形キャラや美少女キャラの描写でも人気を博し、その名をアニメ業界に轟かせました。演出家としては、『魔境伝説アクロバンチ』の第11話で作画監督も兼任し、その才能を発揮しました。

アニメーター、演出家としての活動と並行して、徳間書店の『ザ・モーションコミック』で漫画家としてもデビュー。『ひらきなおってマイヒーロー』では、巨大ロボットを操縦するヒロインと整備士のラブコメから、宇宙刑事風ヒーローへと作風を変化させ、メタフィクション的な要素も盛り込んだ作品を発表しました。

特撮テレビドラマ『宇宙刑事シャリバン』への傾倒は、OVA『学園特捜ヒカルオン』で結実。脚本、作画を担当し、音楽面でも『宇宙刑事』シリーズと同じ渡辺宙明、串田アキラを起用するなど、強いこだわりを見せました。

1990年代からはアニメ業界を離れ、日本テレネットでゲーム業界に転身。RPG『デス・ブリンガー』や『コズミック・ファンタジー』シリーズを手がけました。

1995年頃にアニメ業界へ復帰。復帰後は演出家としての活動が中心となり、低年齢層向けの作品でもその実力を発揮しています。しかし、かつてアクションアニメーターとして培ったテイストやマインドを作品に盛り込むことも忘れていません。監督を務めた『ポポロクロイス』第6話では、金田伊功が絵コンテを担当し、往年のロボットアニメを彷彿とさせる作画を実現しました。

ダイナミックプロ作品に対する造詣も深く、『クリックまんが ダイナミックロボット大戦』では、東映動画版ダイナミック作品の設定を盛り込み、小松原一男を作画監修に迎えるなど、細部にまでこだわった作品作りを行っています。近年では、1970年代のスーパーロボット/SF系アニメーション作品のDVD/BDジャケットイラストや、超合金魂D.C.(ダイナミッククラシックス)シリーズの造型監修も担当しています。

越智一裕は、アニメーター、アニメーション監督、漫画家、そしてゲームクリエイターとして、幅広い分野でその才能を発揮し、数多くの作品を世に送り出してきました。その創造性と情熱は、これからも多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

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