ザ・リアル・キッズ

ザ・リアル・キッズ：ボストンのパンクロックバンド

ザ・リアル・キッズは、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン出身のパンク・ロック・バンドであり、1970年代の音楽シーンにおいて重要な存在となりました。リーダーを務めるジョン・フェリスは、ギタリストでありボーカリスト、さらにソングライターとしても活躍しています。彼の音楽的背景は、ボストンの音楽シーンに多大な影響を与えてきました。

初期の背景と結成

ジョン・フェリスは、1955年にマサチューセッツ州ネイティックで育ちました。彼は同じくボストン出身のミュージシャン、ジョナサン・リッチマンと親友であり、二人はヴェルヴェット・アンダーグラウンドの熱心なファンでした。フェリスは15歳の頃にリッチマンが結成したザ・モダン・ラヴァーズに初期メンバーとして参加しましたが、その後学校の事情で1972年のデビューアルバムのセッションには参加できませんでした。

フェリスはバンド活動の中で、ロックの本質を求める思いを強め、自らのバンドを結成することを決めます。1972年、彼はザ・キッズ（後のザ・リアル・キッズ）を結成し、リック・コラッチオ（ベース）、スティーヴ・デイヴィッドソン（ギター）、ノーマン・ブルーム（ドラムス）と共に活動を開始しました。彼らの音楽は、ストレートで余計な装飾のないスタイルが評価され、チャック・ベリーの影響を色濃く受け継いでいました。

活動と重要なリリース

ザ・リアル・キッズはボストンエリアでライブ活動を行い、同地の音楽シーンの一角を占める存在となりました。彼らの演奏には、エディ・コクランやバディ・ホリーといった古典的なアーティストの楽曲も含まれ、古き良きロックの魅力を現代に伝える役割を果たしました。そして、1977年には彼らの最初のアルバム『The Real Kids』がレッド・スター・レーベルからリリースされ、パンク・ロックの流れに新風を巻き起こしました。

メンバーの変遷と活動

ザ・リアル・キッズは、メンバーの入れ替えを経ながらも活動を継続しました。フェリスは、一時的にラモーンズのローディーとしても働き、ボストンのザ・タクシー・ボーイズでも演奏します。バンドは一時的な活動の後、1983年にフランスのニュー・ローズレーベルから『Hit You Hard』をリリースし、ヨーロッパでのツアーを行いました。

オリジナルメンバーのアルポ・ポーリーノとビリー・ボルジオーリは、脱退後にプリミティヴ・ソウルズを結成しましたが、フェリスは1988年に新たにジョン・フェリス・アンド・ザ・ローダウンズを結成し、アルバム『Nothing Pretty』をリリース。これもまた、多くのファンに支持される作品となっています。

再結成とその後

ザ・リアル・キッズは何度か再結成を果たし、特に1998年から1999年にかけては、ニューヨークでの新年のギグを含む定期的な演奏活動を行いました。しかし、成員の一人であったアルポ・ポーリーノは、2006年に亡くなりました。

このようにザ・リアル・キッズは、ボストンのロックシーンに深い足跡を残し、音楽界にさまざまな影響をもたらしました。彼らの楽曲は、後のパンク・ロックやオルタナティブ・ロックの発展にも寄与しており、今なお多くのファンに親しまれています。

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