シアターアプル

シアターアプルの歴史と特徴

シアターアプル（Theatre Apple）は、東京都新宿区歌舞伎町に位置していた劇場で、1982年のオープンから2008年まで多くの観客に愛されてきました。この劇場は新宿コマ劇場の地下1階にあり、非常に便利なロケーションにあったため、数々のエンターテインメントが展開されました。

開業とばら色の歴史

シアターアプルは、アメリカのダンス公演『JACK』を初演として開業しました。この劇場の名前は、ニューヨークの愛称「ビッグアップル」からインスパイアされており、まさにアートの発信地としての役割を担っていました。建築面でも注目を集め、舞台美術家の妹尾河童、照明家の吉井澄雄、建築家の斉藤義といった著名なクリエイターが関与し、竹中工務店によって設計施工されました。

劇場のデザインと装飾

客席入口には、劇場名に由来する「リンゴ」のデザインが施されており、ホールの奥には「黄金のリンゴ」の装飾がある美しい空間が広がっていました。これらの装飾は、訪れる観客に独特の雰囲気を提供し、思い出に残る体験を演出しました。

多様な公演内容

シアターアプルでは、映画館やダンスホールとしての利用も見られましたが、演劇やミュージカルの公演が特に人気でした。ミエと良子のショー泥棒や、小堺クンのおすましでSHOW、さらには加藤登紀子のほろ酔いコンサート、カンコンキンシアターなど、多彩な内容が盛り込まれ、観客を楽しませました。また、演劇集団キャラメルボックスの公演も行われ、彼らが拠点として使用していたサンシャイン劇場に繋がる重要な場所でした。

Yoshimotoの印天然素材が連続公演を行ったことでもその名は広まりました。さらに、水野晴郎監督による『シベリア超特急』の舞台版が上演されたことも記憶に残る出来事です。

最終公演と閉館

シアターアプルは、2008年12月31日のコンドルズによる『ラストワルツ』をもって閉館しました。この公演では特別なルールが設けられ、飲食や撮影が本番中を除いて自由に行われたことで、最後の公演を特別な思い出として残すことができました。

シアターアプルは、エンターテインメントの多様性を体現した劇場として、多くの人々に親しまれ、劇場文化において重要な役割を果たしてきた場所でした。その閉館は多くのファンにとって大きな喪失であり、今でもその記憶は新宿の文化として生き続けています。

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