シェイプレス

シェイプレス - BUCK-TICKのリミックス・アルバム

『シェイプレス』は、日本のロックバンドBUCK-TICKによってリリースされたリミックス・アルバムです。このアルバムは1994年8月24日に、ビクターエンタテインメントのInvitationレーベルから初回生産限定盤として発売されました。本作は、バンドのメジャーデビュー作『SEXUAL×××××!』（1987年）から7枚目のオリジナルアルバム『darker than darkness -style 93-』（1993年）までの楽曲をセレクトし、日本国外のアーティストによってリミックスされたものが収められています。さらに、通常のCDとしての分類だけでなく、写真家の蓮井幹生によるトルコで撮影された写真集が付帯されている点でも特徴的です。

音楽制作の背景

アルバムの制作は、BUCK-TICKの過去の楽曲をアンビエントスタイルにリミックスするという独自のコンセプトからスタートしました。選曲に関しては、最近のアルバムからの楽曲という要望があったものの、その後は各リミックス担当者に自由に選ばれる形が取られました。樋口豊は、従来のベストアルバムのリリースに抵抗があったため、リミックス・アルバムという新しい形を模索した結果、本作が誕生したことを明かしています。

今井寿は、様々な音楽ジャンルでリミックスされることを想定していましたが、実際の出来上がりには予想以上の出来栄えに驚かされたと述べています。中には、原曲がわからないほどにリミックスされた楽曲もあるといいます。櫻井敦司は本作の完成を楽しみにしていたと語り、「In the Glitter」と「Killing (Urb mix)」が特にお気に入りだと述べています。その中での楽曲は、既存のものが解体され再構築されたことに対して「ザマーミロ」という感情を覚えたと述べています。星野英彦も「D・T・D (Air Liquide mix)」と「In the Glitter PT 1 (Glitter mix)」を特に評価し、生音に対してさらに広がりが出たと感じています。

アートワークの制作

アルバムに付属する写真集の撮影は、当初はネパールを予定していましたが、現地の危険度から今井の提案によりトルコに変更されました。撮影は、観光地ではなく、イスタンブールの小さな町や繁華街で行われ、多くの移動を経て進められました。特に写真の撮影では、移動バスを使用し、羊の群れと遭遇した際にはその場で撮影を行ったエピソードや、現地の子どもたちとサッカーを楽しむシーンもありました。

ツアーとチャートでの成績

『シェイプレス』を受けて、BUCK-TICKは1994年7月31日と8月7日に「SHAPELESS」と題したライブコンサートを富士急ハイランドコニファーフォレストで行い、これは約5年ぶりの野外ライブとなりました。また、8月には他のバンドとの共演コンサートツアー「L.S.B」が5都市で展開され、多くのファンを魅了しました。

アルバムはオリコンチャートで最高位5位を記録し、11.0万枚の売上を達成しています。この売上は、BUCK-TICKのアルバム売上ランキングで10位に位置し、2022年には人気ランキングで25位にも選ばれました。

収録曲とスタッフ

このアルバムは、リミックスを手掛けた多くのアーティストたちとの共同作業の成果でもあります。エンジニアやコーディネーターなど様々な専門家が関わり、BUCK-TICKの独自な音楽スタイルを新たな形へと再構築しました。これにより、リリースされた本作はただのリミックスにとどまらず、アートと音楽が融合した特別なアルバムとなったのです。

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