シェイムレス 俺たちに恥はない

『シェイムレス 俺たちに恥はない』は、アメリカ合衆国で製作されたテレビドラマシリーズです。イギリスの同名人気ドラマのリメイク版として、米国のケーブルテレビ局 Showtime で2011年から2021年まで、全11シーズンにわたって放送されました。オリジナル版も全11シーズンが製作されており、長期にわたり多くの視聴者に支持されたシリーズです。

物語の舞台は、イリノイ州シカゴ南部の労働者階級が多く住む地域、特にカナリービル周辺が想定されています。ただし、実際の撮影はシカゴのサウス・ローンデイル地区に加え、カリフォルニア州バーバンクにあるワーナーブラザーズのスタジオでも行われました。このドラマは、今日の現代アメリカ社会における労働者階級の厳しい生活、特に貧困や社会的な問題を、時にはシニカルに、時にはハートフルに描いています。製作者ポール・アボットは、本作が単なる肉体労働者を描くドラマではなく、貧困というテーマをより深く掘り下げていると述べています。

物語の中心となるのは、ギャラガー家とその周辺の人々です。一家の父親であるフランク・ギャラガーは、アルコール依存症で定職に就かず、障がい者年金や死亡した姉の年金（遺体は庭に埋められています）を不正に受給するなど、全く頼りにならない人物です。彼の無責任な行動は常に家族を巻き込み、様々な騒動を引き起こします。そんな父親に代わり、一家の実質的な大黒柱として弟妹たちの面倒を見るのが長女のフィオナ・ギャラガーです。彼女は時に自身の幸せを犠牲にしながらも、家族のために奮闘します（シーズン9までの出演）。

ギャラガー家の子供たちはそれぞれ個性豊かです。長男のフィリップ（通称リップ）は学業優秀な優等生ですが、複雑な人間関係や自身の問題に直面します。二男のイアンはゲイであることを自認し、親友の兄であるミッキー・ミルコヴィッチとの関係に苦悩しつつ、自己を見つけようとします（イアンは血縁上フランクの実子ではありません）。次女のデビー、三男のカール、そして幼い四男のリアムも、貧困や環境がもたらす困難の中で成長していきます（リアムは外見はアフリカ系ですが、フランクの実子です）。また、フランクの元妻で子供たちの母親であるモニカは双極性障害を抱えており、時折一家に現れては混乱をもたらします。フランクの母親であるペグも登場し、孫たちにとって恐ろしい存在として描かれます。

ギャラガー家の生活には、様々な周辺人物が深く関わります。隣人のヴェロニカとケヴィンはギャラガー家と家族のような関係を築き、彼らを助けようとします。ケヴィンはバー「アリバイ・ルーム」で働き、ヴェロニカは看護師ですが、過去にはわいせつ動画で生計を立てていた経験もあります。リップが片思いする問題児のカレン・ジャクソンや、彼女の母親で広場恐怖症を抱えるシーラ・ジャクソン、そしてフランクと関係を持つようになるシーラなども重要なキャラクターです。マンディの兄ミッキー・ミルコヴィッチは乱暴な性格ながらも、イアンとの関係を通じて変化を見せていきます。謎めいたロシア人女性スヴェトラーナも登場し、ミッキー、ヴェロニカ、ケヴィンといったキャラクターと複雑な共同生活を送ることになります。

日本では、WOWOWが2012年から放送を開始し、初期シーズンから順次オンエアされました。第1シーズンは2012年1月5日から放送され、第2シーズンは同年11月、第4シーズンは2014年10月から放送されています。また、2020年からはNetflixでも配信が開始されており、現在（情報時点）はシーズン1からシーズン5までが視聴可能となっています。

『シェイムレス 俺たちに恥はない』は、貧困、アルコール依存症、精神疾患、性的指向、家族の絆といった重厚なテーマを扱いながらも、ブラックユーモアと個性的なキャラクターによって、多くの視聴者に共感と衝撃を与え続けた作品です。

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