シェットランド・シープドッグ

シェットランド・シープドッグ（シェルティー）

シェットランド・シープドッグ（Shetland Sheepdog）、通称シェルティーは、スコットランドのシェトランド諸島を原産とする愛らしい犬種です。ラフ・コリーを小型にしたような外見が特徴で、その賢さと忠誠心から世界中で家庭犬として人気を集めています。

歴史

シェルティーの歴史は古く、スコットランドの牧羊犬の歴史と深く関わっています。ラフ・コリーやボーダー・コリーと共通の祖先を持つと考えられており、厳しい自然環境の中で独自の進化を遂げました。

シェトランド諸島は、痩せた土地で牧草地が限られており、家畜は自然と小型化しました。シェルティーも同様に、小型の家畜を管理するために小型化したと考えられています。また、ヴァイキング時代にスカンジナビアから持ち込まれたスピッツ系の犬種、サモエドなどの血統も受け継いでいるという説もあります。

19世紀後半になると、イギリス海軍がシェトランド諸島を訪れるようになり、シェルティーはイギリス本土に紹介されました。当初はスパニエルの影響を受けた犬種と交配され、ラフ・コリーなどの血も加えられながら、現在の姿へと改良されていきました。

当初は「シェットランド・コリー」という名前で呼ばれていましたが、コリーのブリーダー団体からの抗議により、現在の「シェットランド・シープドッグ」という名称に変更されました。

特徴

シェルティーは、体高よりも体長がやや長く、俊敏でスタミナがあります。理想的な体高は、オスが約37cm、メスが約35.5cmで、体重は10kg前後です。筋肉質でバランスの取れた体型をしており、頭部はくさび形で、マズルはコリーよりもやや短めです。

被毛はダブルコートで、粗く長い上毛と、柔らかく密生した下毛に覆われています。首周りの飾り毛が豊かで、特にオスは豪華です。毛色は、ブラック、ブルーマール、セーブルを基本として、白やタンの模様が入ります。

注意点

カラーヘッド: シェルティーでは認められていません。
ダブルマール: 耳や目に障害を持って産まれてくる可能性があるので、マール同士の繁殖は避ける必要があります。

性格

シェルティーは、明るく活発で、人懐っこい性格をしています。非常に賢く、飼い主への忠誠心も厚いため、訓練しやすい犬種です。牧羊犬としての本能から、警戒心が強く、よく吠えることがあります。また、コリーに比べて神経質な面もあります。

健康

シェルティーは、遺伝的に甲状腺機能低下症にかかりやすい傾向があります。定期的な健康チェックで早期発見に努めましょう。

その他

シェルティーの耳は、半立ち耳が理想とされています。子犬の頃からテープで固定することで、形を整えることができます。

まとめ

シェルティーは、その美しい外観と賢さ、愛情深さで、多くの人々を魅了する犬種です。適切な飼育環境と愛情をもって接すれば、素晴らしいパートナーとなるでしょう。

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