シェリフ (ゲーム)

シェリフ（Sheriff）

1979年に任天堂から発売されたアーケードゲーム『シェリフ』は、プレイヤーが街の保安官となり、ならず者たちを撃退するというシンプルながらも奥深いゲームプレイを提供します。このゲームでは、特に独自の操作形態が特徴的で、プレイヤーは移動用のレバーと8方向対応のダイヤルスイッチを利用して弾を発射します。これにより、弾の向きを自由に指定しながら、自身を守ることが求められます。同時に、入力遅延が存在するため、プレイヤーは微妙なタイミングを必要とします。

ゲームの基本構成

ゲーム画面はシンプルで、上部にはスコア表示エリアがあります。周囲には16人のならず者が配置されており、その内側にはプレイヤーやならず者を遮るバリケードが点在しています。このバリケードは滑らかに弾丸で破壊できるため、プレイヤーは積極的に利用する戦略が求められます。また、ならず者の基本的な動きは、外周を歩行しながらプレイヤーへ弾を発射してくるもので、プレイヤーはこの攻撃をやり過ごしつつ、ならず者を倒す必要があります。外周のならず者を撃退すると30点、内部に侵入した赤くなったならず者を撃退すると60点が獲得できます。

内部に侵入したならず者が増えることで、外周のならず者の進行方向が反転する仕組みとなっており、プレイヤーはより複雑な戦略を組むことが求められます。もしならず者の弾に当たったり、直接触れてしまった場合はゲームオーバーに。全てのならず者を討伐すると1面クリアとなり、一定の面数をクリアすると得点が倍になるボーナスも存在します。

ボーナス要素と進行

ゲーム中、時折画面上部にコンドルが現れ、これを撃ち落とすことで追加得点が獲得可能です。ボーナス得点は最大500点まであり、プレイヤーにとって大きなメリットとなります。ですが、高難易度の中で1億点を目指すことは容易ではなく、特に高速弾の存在がプレイヤーを危険にさらします。

この作品は、特異な操作メカニズムやボーナス制度によって評価されつつも、商業的にはそれほどの成功を収めたわけではありません。それでも、操作形態の独自性は語り継がれる要素となりました。

続編と関連作品

『シェリフ』の後には『シェリフ2』が登場しますが、その操作システムは極めてシンプルに変更され、キャラクターも親しみやすい動物たちへと変更されました。それでも、商業的には初代と同様に大きな成功を収めるには至りませんでした。また、『ウエスタンガンII』と呼ばれるタイトルは、実際には『シェリフ』のレプリカであり、基本的な操作方法は同様ですが、グラフィックやBGMに多少の違いが見られます。

更には、2003年にはゲームボーイアドバンスの『メイド イン ワリオ』でも『シェリフ』が引用され、オリジナルの魅力を引き継ぐ形で新たな体験が生まれました。このように、『シェリフ』は多くの作品に影響を与え、今でもその存在が記憶されています。

結論

『シェリフ』は、任天堂が創り出したアーケードゲームの中での重要な作品であり、独自の操作法やボーナスシステムは特に際立っています。その歴史的背景や後世への影響を考えると、アーケードゲーム史における一つの金字塔と言えるでしょう。

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