シェーラひめのぼうけん

『シェーラ姫の冒険』シリーズ：砂漠の冒険と友情の物語

村山早紀作、佐竹美保画による児童文学作品『シェーラ姫の冒険』シリーズは、全10巻からなる壮大なファンタジーです。フォア文庫より刊行され、その後、童心社より図書館版も発売。さらに、2019年には全10巻を2冊にまとめた加筆版「愛蔵版」も刊行されるなど、長きに渡り愛され続けている作品です。

物語は、悪の魔法使いサウードによって石に変えられてしまったシェーラザード王国を舞台に展開します。王女シェーラは、幼馴染の魔法使いファリード、そして出会ったばかりの少年ハイルと共に、王国を救う七つの鍵を探す冒険に出かけます。

壮大なスケールと魅力的なキャラクターたち

砂漠の広大な世界を舞台に、シェーラたちは様々な困難に遭遇します。危険な砂嵐、謎の遺跡、そしてサウードの策略。しかし、シェーラの勇気と、ファリードの知略、ハイルの機転によって、次々と難関を突破していきます。

この冒険物語を彩る魅力的なキャラクターたちも、物語の魅力の一つです。

シェーラ姫: 強さと優しさを兼ね備えた王女。持ち前の怪力と剣の腕前だけでなく、仲間を想う温かい心も持ち合わせています。
ファリード: シェーラの幼馴染で、魔法使い。魔法の実力は未熟ながらも、知的な分析力と冷静さで、危機を何度も救います。
ハイル: 元少年泥棒で、シェーラたちの旅に同行するようになる。明るく、義理堅く、料理も得意な頼もしい仲間です。
ライラ: シェーラが持つ指輪に宿る魔神。圧倒的な力を持つ一方で、シェーラのドジにも振り回されるお茶目な一面も。
* サウード: 容姿端麗だが冷酷な悪の魔法使い。彼の過去と動機は、物語の後半で明らかになり、意外な展開を招きます。

シェーラたち以外にも、個性豊かなキャラクターたちが物語を彩ります。賢者ハーシブ、盗賊のハッサンとその仲間アリ、ハッサンの娘ミリアムなど、多くの出会いと別れを通して、シェーラたちは成長していきます。

シリーズをさらに深める続編

『シェーラ姫の冒険』シリーズは、シェーラの娘たちが主人公となる続編「新シェーラ姫の冒険」シリーズへと続きます。こちらのシリーズも、フォア文庫と図書館版で刊行されており、愛蔵版も発売されました。

「新シェーラ姫の冒険」では、サファイヤとルビーという双子の王女が、新たな冒険へと旅立ちます。前作で描かれた世界観を踏襲しつつも、新たな登場人物や事件が展開し、シリーズ全体の深みが増しています。

愛蔵版とイメージサウンドトラック

『シェーラ姫の冒険』シリーズと『新シェーラ姫の冒険』シリーズの愛蔵版刊行を記念して、入江麻衣子によるイメージサウンドトラックが、作者村山早紀の公認で発表されました。物語の世界観をさらに深く味わうことができる、ファン必聴の一品です。

多様な刊行形態

『シェーラ姫の冒険』シリーズは、フォア文庫版、図書館版、愛蔵版と、様々な形態で刊行されています。それぞれの版で、装丁や内容に違いがあるため、コレクションする楽しみも味わえます。

中東風の世界観

物語の世界観は、中東付近の国々をモデルとしており、独特の雰囲気を醸し出しています。魔術師や精霊、魔神といったファンタジー要素と、錬金術師といった科学的な要素が融合した、独自のワールドが魅力です。

長く愛される理由

『シェーラ姫の冒険』シリーズが長く愛されている理由は、冒険の面白さ、魅力的なキャラクターたち、そして深い感動を呼ぶストーリーにあります。子供たちだけでなく、大人も楽しめる作品として、これからも多くの人々に愛されていくことでしょう。

もう一度検索