シエテ・レイェス

シエテ・レイェスの概要

シエテ・レイェス（Siete Leyes、七憲令）は、1836年にメキシコで制定された憲法の改正案であり、国の政治体制を根本から変革しました。この改正により、メキシコ合衆国の第一連邦制は終了し、中央集権的なメキシコ共和国の成立を促しました。これは、当時の大統領であるアントニオ・ロペス・デ・サンタ・アナのリーダーシップのもとで実行され、以前の1824年憲法に対して大きな変化をもたらしました。

背景と意義

1824年に制定された憲法は、アメリカ合衆国の成功を模範とした連邦制を目指していました。しかし、その後の10年間は政治的な混乱や経済的困難、さらには外国からの脅威や侵略に直面しました。これに対し、保守的な勢力は、中央集権の方がメキシコにとってより適切であるとの結論に至りました。

その結果、1836年にはシエテ・レイェスが導入され、中央政府の権限を強化し、国家の統一を図る試みがなされました。この新たな法律は、メキシコ国内の多数の権力者や政治家にとって、大きな意味を持つものでした。

シエテ・レイェスの内容

シエテ・レイェスは、いくつかの法律から構成されており、それぞれが特定の目的を持っています。以下に、主な法律の概要を示します。

1. 第1の法：この法は15条から成り、スペイン語を読み書きでき、年収が100ペソ以上の者に市民権を与えることを規定しています。ただし、選挙権を持たない家庭内労働者及び女性は対象外とされています。

2. 第2の法：23条から成り、大統領が議会を閉鎖し、最高裁判所を抑圧する権限を与えられます。また、軍の将校は最高裁判所に就任することができません。

3. 第3の法：58条に基づき、政府が選出した代議院と元老院からなる二院制の議会を設け、代議院の任期を4年、元老院を6年と定めています。

4. 第4の法：34条により、最高裁判所・元老院・大臣会議がそれぞれ3名の候補を選び、その中から下院が大統領と副大統領を選出します。

5. 第5の法：51条で、最高裁判所員は11名から構成され、大統領と副大統領と同様の手続きで選出されることが定められています。

6. 第6の法：31条では、州と呼ばれる主体はフランスの県制度を模倣した中央集権的な県に置き換えられ、その県の知事と立法者は大統領によって指名されます。

7. 第7の法：この法は、施行から6年の間に以前の法律に戻すことを禁じています。

その後の影響

シエテ・レイェスは、1843年に一度改訂され、実際的な内容が追加されましたが、その結果として国家権力はアントニオ・ロペス・デ・サンタ・アナにより一層集中されました。1846年にはこの法律は廃止され、1824年憲法が復活し、メキシコ合衆国の第二連邦制が始まります。この時期はメキシコにとって政治的な転換点であり、国の未来を模索する重要な時代でした。

シエテ・レイェスの制定とその後の展開は、メキシコの政治史において重要な役割を果たし、今日まで影響を与えています。

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