シカゴピザファクトリー

シカゴピザの歴史

シカゴピザは、かつて存在した宅配ピザチェーンであり、現在は株式会社ストロベリーコーンズがそのブランドを引き継ぎ事業展開を行っています。本稿では、旧シカゴピザと、現在のストロベリーコーンズによる展開の両方について解説します。

起源と変遷

1986年、ピザ生地メーカー「トロナジャパン」の一部門が、東京都渋谷区に「シカゴピッツァファクトリー渋谷店」をオープンしたのが始まりです。この時の「シカゴピザ」の名称は、アメリカ・シカゴのリトルイタリーにあるアメリカ風ピザに由来しています。しかし、提供されていたのはアメリカンピザやニューヨーク風ピッツァが中心で、いわゆる「シカゴ風ピザ」や「ディープディッシュピザ」のような、具材がたっぷりと詰まった厚みのあるピザパイではありませんでした。

トロナジャパンは、アイスクリーム卸売大手である藤三商会の完全子会社でしたが、藤三商会が2003年に経営破綻。トロナも倒産の危機に瀕しましたが、伊藤忠商事や森永乳業の支援により事業を継続しました。しかし業績は伸び悩み、2006年にゼンショーに事業譲渡されました。

2008年、宅配ピザチェーン事業に専念するため、株式会社トロナジャパンから分社化し、株式会社シカゴピザ（初代）として新たなスタートを切りました。その後、2011年にはゼンショーがシカゴピザの全株式を投資銀行であるリサ・パートナーズに譲渡し、ゼンショーグループから離脱しています。

リサ・パートナーズは、シカゴピザ（初代）の全株式を譲渡するため、2015年に株式会社CPFを設立。2016年、CPFがシカゴピザ（初代）を吸収合併し、商号を株式会社シカゴピザ（2代）に変更しました。

経営破綻とその後

フランチャイズ展開により、店舗数は一時300近くまで拡大しましたが、近年は競合他社の台頭により店舗数が激減。2023年3月、事業を停止し、破産手続きを弁護士に一任したと報じられました。人件費の高騰に伴う資金繰り悪化が主な要因とされ、負債額は約15億円にのぼりました。同年3月には大阪地裁へ自己破産を申請し、保全管理命令を受けています。

一部のフランチャイズ店は保全管理人の下で運営を続けていましたが、2023年5月には大阪地裁から破産手続き開始決定を受けました。シカゴピザは、宅配ピザチェーン「シカゴピザファクトリー」「シカゴデリータ」、ピザ・パスタのファーストフード店「ボーノ!シカゴ」などを運営していました。

ストロベリーコーンズによるブランド再生

破産管財人によって、シカゴピザの商標や一部事業は株式会社ストロベリーコーンズに譲渡されました。ストロベリーコーンズは、2023年6月から西日本を中心に「シカゴピザ」ブランドでの店舗展開を開始。同社は「ナポリの窯」との併設店舗を開業するなど、西日本への本格的な進出を進めています。

その他のトピック

1988年には、アメリカ独立記念日から1年間、アメリカントレイン内でシカゴピザの車内販売が行われていました。

店舗

ストロベリーコーンズは、旧シカゴピザから商標を譲受した際に、シカゴピザと「どんぶり名人」の数店舗も譲受しています。そのうち、シカゴピザに関してはメニューを「ナポリの窯」準拠に変更するなど、店舗のリニューアルを進めています。

このように、シカゴピザは、創業から経営破綻、そして新たな展開と、様々な歴史を経て現在に至っています。

シカゴピザ
どんぶり名人

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