シカゴ新報

シカゴ新報の概要

「シカゴ新報」（The Chicago Shimpo）は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴで発行されている日系アメリカ人向けの新聞です。この新聞はシカゴ新報社によって運営されており、1995年当初は週2回の頻度で刊行されていました。事務所はシカゴのオルバニー・パークに位置していましたが、2014年には郊外のアーリントンハイツへ移転しました。「シカゴ新報」は日本語と英語の両方で記事を提供しており、シカゴ地域の唯一の邦字新聞として重要な役割を果たしています。

歴史の歩み

「シカゴ新報」は、第二次世界大戦中に強制収容所に入っていた藤井僚一によって創刊されました。初版は1945年11月15日に発行され、1947年以降には英語のページも追加されました。1950年にこの新聞に業務管理者として参画した杉本幸八郎は、1966年には社長および発行人となり、藤井の引退後に経営を引き継ぎました。

藤井氏は1981年に引退し、その後フランク・T・菅野が新たなリーダーシップを執ることになりました。もし菅野がこの新聞を引き受けなければ、後継者が指名されていなかったため「シカゴ新報」は存続できなかった可能性が高いと言われています。1982年には杉本が引退し、1994年に菅野が亡くなると、妻の菅野昭子が経営を担うことになりました。

1995年頃にはシカゴの日本人コミュニティが縮小し、日本語の新聞への需要も減少したため、経営面での困難を抱えるようになりました。この時期、「シカゴ新報」の部数は5,000部で停滞し、新聞社の買い手も見つからない状況でした。日系人コミュニティにおいては、「平和テラス」の住民が最大の購読者層でありました。その中で、日系アメリカ人にとって良いニュースは、新聞にとっては逆に厳しい状況を意味していたのです。

菅野昭子は、若い読者層を引きつけるために、記事の掲載までの時間を短縮し、内容も現代的なテーマを含むように改善しました。かつては記事の掲載に数ヶ月かかることもありましたが、菅野の努力により遅延は約1週間にまで縮まりました。2014年には本社が多くの日本人居住者がいるアーリントンハイツに移転し、新たなスタートを切りました。

「シカゴ新報」はこれまで、日系アメリカ人としてのアイデンティティを保ちながら、地域の情報を敏感に捉え、コミュニティの絆を深めてきました。今日もなお、シカゴ地域における貴重な情報源として、日系アメリカ人の生活に寄り添う存在であり続けています。

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