邦字新聞

邦字新聞とは

邦字新聞とは、広義には日本語で書かれた新聞全般を指しますが、一般的には「日本国外で発行されている日本語新聞」のことを指します。これらの新聞は、海外に住む日本人や日系人にとって、重要な情報源であり、コミュニティのつながりを保つ役割を果たしてきました。

歴史

海外初の邦字新聞は、1886年にアメリカ・サンフランシスコで発行された「しののめ」とされています。翌年には同じくサンフランシスコで「新日本」が創刊されましたが、この新聞は日本での販売が禁止されるという出来事もありました。これは当時の出版条例によるもので、海外で発行された新聞が日本国内で販売されることに対する警戒感を示しています。

現状

近年、海外における日系人の高齢化や日本語人口の減少に伴い、邦字新聞の発行部数は減少傾向にあります。しかし、現在でも多くの邦字新聞が発行されており、それぞれが地域社会に貢献しています。これらの新聞は、最新のニュースだけでなく、生活情報や文化交流に関する記事も掲載しており、海外在住の日本人にとって不可欠な存在です。

主な邦字新聞

以下に、世界各地で発行されている主な邦字新聞を地域別に紹介します。

アジア

タイ: バンコク週報
マレーシア: 南国新聞、日馬プレス
シンガポール: 星日報 (2010年休刊)
インドネシア: じゃかるた新聞 (2024年休刊)
香港: 香港ポスト (休刊後復刊)
カンボジア: ラスメイカンプチア新聞
フィリピン: 日刊まにら新聞 (電子版に移行)
ベトナム: VIETJO ベトジョー、The Watch
アジア・オセアニア地域: 日本経済新聞アジア・オセアニア版

オセアニア

オーストラリア: 日豪プレス NICHIGO ONLINE、サザンクロスタイムス、週刊ジェンタ、Cheers、伝言ネット、J.A. News

北米

アメリカ

ロサンゼルス: 羅府新報、日刊サン
ホノルル: ハワイ報知社 (2023年休刊)
ニューヨーク: OCSニュース、日刊サン
北カリフォルニア: 日米タイムズ
[サンフランシスコ]]: 北米毎日[[新聞]、J weekly
シアトル: 北米報知
コロラド: ロッキーマウンテン時報 (オンライン情報のみ)

カナダ

バンクーバー: 大陸日報 (休刊)、バンクーバー新報 (休刊、WEBサイトにて情報提供)、アドバルーン (休刊)、Oops! Japanese Magazine(現存)
トロント: ニューカナディアン (休刊)、日加タイムス (休刊)、Bits(休刊)
カナダ全土: カナダジャーナル(休刊)

中南米

ブラジル

サンパウロ: ブラジル日報、ニッポ・ブラジル新聞、サンパウロ新聞、ニッケイ新聞（2021年廃刊)
その他: 伯剌西爾時報 (休刊)、聖州新報 (休刊)、朝日新聞 (休刊)、週刊南米 (休刊)、昭和新聞 (休刊)、ブラジル中外新聞 (休刊)、アサイ新聞 (休刊)、パウリスタ新聞 (休刊)、日伯毎日新聞 (休刊)

パラグアイ

アスンシオン: 日系ジャーナル

アルゼンチン

ブエノス・アイレス: らぷらた報知

ペルー

リマ: ペルー新報

ヨーロッパ

フランス

パリ: ル・モンド・ディプロマティーク日本語版、OVNI

業界団体

海外日系新聞放送協会という業界団体があり、世界の邦字新聞社が加盟しています。この協会は、会員相互の親睦を深めるとともに、海外日系メディアの健全な発展を促進することを目的としています。

その他の情報

邦字新聞は、単なるニュースメディアとしてだけでなく、コミュニティの形成や文化の継承にも重要な役割を果たしています。これらの新聞は、日系人や日本人が、母国の文化や言語を維持し、異文化の中で生活する上で、大きな支えとなっています。

関連情報

日系人
在外日本人
NHKワールド
日本語放送

外部リンク

公益財団法人 海外日系人協会
「在外」日本人ネットワーク
* スタンフォード大学フーヴァー研究所 邦字新聞デジタルコレクション

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