シカゴ18

アルバム『シカゴ18』の概要

『シカゴ18』は、1986年にリリースされたアメリカのロックバンド「シカゴ」の15枚目のスタジオアルバムです。この作品は、前作『シカゴ17』の成功を受けて登場し、バンドの新たな時代の出発点となる重要なアルバムとして位置付けられています。

背景とメンバーの変化

このアルバムは、ピーター・セテラの脱退を受けてのものであり、彼の後を継いだ新たなボーカリスト、ジェイソン・シェフが加入しました。セテラはソロキャリアに専念するためバンドを離れ、シェフが新たにバンドに参加することになったのです。シェフはその魅力的なボーカルと、昔のセテラのスタイルを見事に再現する能力で、バンドの音楽の延命に大きく寄与しました。

バンドのオリジナルメンバーであるロバート・ラムも、アルバム制作において重要な役割を果たしましたが、シェフとビル・チャンプリンがフロントボーカルを務めることで、シカゴのサウンドは新しい色合いを見せることになりました。

サウンドの変革

『シカゴ18』の音楽スタイルは、1980年代中期のソフト・ロックの影響を色濃く受けており、デイヴィッド・フォスターのプロデュースのもとで制作されています。これにより、前作のシカゴ17と同様のアプローチが取られ、ファンによる期待も高まる中でのリリースとなりました。

ニューアルバムでは、「長い夜(25 or 6 to 4)」の新録音バージョンや、「スティル・ラヴ・ミー(Will You Still Love Me?)」や「フェイスフル(If She Would Have Been Faithful...)」といったシングルが収録されており、これらはともに成功を収めました。

シングルとチャート成績

『シカゴ18』からは、「スティル・ラヴ・ミー」がビルボードのHot 100で3位に達するヒットとなり、さらに「フェイスフル」も17位にランクインしました。ただし、アルバム全体の販売成績は、前作のような大ヒットには至らず、最高位35位にとどまりました。

シカゴはこの時期、ヒットシングルを持つ一方で、アルバム全体が大ヒットするには至らないという立場に変わっていきました。この傾向は、メンバーの入れ替わりや音楽スタイルの変化に起因しています。

未収録曲とセッション

アルバムセッション中には、「When Will the World Be Like Lovers?」という曲も録音されましたが、最終的には『シカゴ18』には収録されませんでした。この曲は後にロバート・ラムのソロアルバムで再録音され、今ではオンラインで聴くことができます。

結論

『シカゴ18』は、シカゴにとっての新機軸を打ち出したアルバムであり、音楽の面では新たな挑戦となる一方、商業的には以前ほどの成功を収めることはできませんでした。それでも、シェフの加入とともに新しい音楽の方向性が示された重要な作品です。

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