シガチョフ事件

シガチョフ事件とは

シガチョフ事件（シガチョフじけん）は、オウム真理教に属するロシア人信者、ドミトリー・シガチョフを中心としたテロ未遂事件です。この事件は、2000年7月に沖縄で開催されるサミットを前に、麻原彰晃の解放を目指す一連の計画に関連して発生しました。事件は東京、青森、札幌の3都市で、幼稚園や公共施設を狙った爆弾テロが予定されていましたが、日本とロシアの当局の連携によって未遂に終わりました。

オウム真理教とロシア

1991年にオウム真理教の教祖麻原彰晃がロシアを初めて訪れた際、彼はロシアの政界の有力者と接触しました。これによりオウム真理教はロシアに進出し、多くの信者を獲得しました。特に、1993年に入信したドミトリー・シガチョフは、教団内での地位を高め、麻原の信奉者として知られるようになりました。しかし、1995年の地下鉄サリン事件を受けてオウム真理教はロシア政府に禁止されましたが、それでも信者たちは教祖への信仰を続けていました。

テロ計画の始まり

シガチョフはオウム真理教の信者だったものの、教団内部の動きに不満を持つようになり独立したグループを形成しました。彼はネットを通じて支援者を募り、麻原を解放するための資金と武器の調達を始めました。この過程で、シガチョフは2人の信者、ボリス・トゥペイコとアレクサンドル・シェフチェンコとともに、計画を具体化させることになります。彼らは先進的な爆弾装置の製作を試み、計画が進展していきました。

資金調達と爆弾製造

資金調達の一環としてシガチョフは日本の信者との連絡を試み、徐々に資金を集めていきました。ウ[[ラジオストク]]を拠点に、テロを実行するための準備を進めましたが、計画の中でメンバーの脱落や問題が発生しました。特に、爆弾の製造に関与していたシェフチェンコが離脱したことで、計画は困難を極めることになります。この時、シガチョフは新たな技術を活用し、電話での遠隔起爆装置の製作を指示しましたが、これが間接的に彼の計画を露見させることとなります。

上祐の介入と情報提供

1999年12月に、シガチョフの計画は麻原の娘である松本麗華の耳に入ります。彼女はシガチョフを称賛する一方で、彼に対する警鐘のようなメッセージを送られることになります。その後、上祐史浩も情報を得て、シガチョフの計画を警視庁に通報しました。これにより、シガチョフは日本への入国を試みることとなりました。

シガチョフの来日とその後

シガチョフは2000年3月に日本に渡り、テロ行為の準備を進めていましたが、上祐の通報により警視庁は彼を監視することになります。シガチョフは東京・青森・新潟において、爆弾を設置するための調査を行い、計画は着実に進んでいましたが、警察との接触の中で彼は行動を制限され、最終的に帰国します。

逮捕と裁判

その後、シガチョフはFSBに逮捕され、彼の仲間たちも拘束されました。シガチョフは獄中でも麻原への信仰を続けていたと言われています。2002年には、ロシアの裁判所で厳しい判決が下され、シガチョフは8年の自由剥奪を受けることになりました。この事件は、オウム真理教の異常な信仰と、それに基づく極端な行動がいかに危険であるかを示す一例となっています。

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