シグマ粒子

シグマ粒子とは

シグマ粒子（Σ粒子）は、素粒子物理学において、バリオンに分類されるハドロンの一種です。バリオンは、強い相互作用をする粒子の仲間であるハドロンの一種であり、クォークとグルーオンから構成されています。シグマ粒子は、特に3つのクォークから構成される複合粒子です。

構成

シグマ粒子を構成する3つのクォークのうち、2つはアップクォーク（u）またはダウンクォーク（d）です。残りの1つのクォークは、ストレンジクォーク（s）、チャームクォーク（c）、またはボトムクォーク（b）のいずれかになります。これらのクォークの組み合わせによって、異なる種類のシグマ粒子が存在します。

シグマ粒子の種類を区別する要素として、アイソスピン、ストレンジネス、チャーム、ボトムネスなどがあります。

シグマ粒子の種類

シグマ粒子には、スピンとパリティの組み合わせ（JP）が1⁄2+のものと、3⁄2+のものが存在します。これらの粒子は、さらに構成するクォークの種類によって細かく分類されます。

JP = 1⁄2+ のシグマ粒子
このグループには、アップクォーク、ダウンクォーク、ストレンジクォークの組み合わせからなるΣ粒子が含まれます。

JP = 3⁄2+ のシグマ粒子
このグループには、より高いエネルギー状態を持つシグマ粒子が含まれます。

未観測のシグマ粒子

標準模型によって存在が予測されているものの、まだ観測されていないシグマ粒子も存在します。また、名前がまだ確定していないシグマ粒子も存在し、Σb(5810)に近い名前になる可能性が示唆されています。

シグマ粒子の研究

シグマ粒子の研究は、クォーク間の相互作用や、強い相互作用の理解を深める上で重要な役割を果たします。また、重いクォークを含むシグマ粒子の研究は、クォークの質量生成機構や、CP対称性の破れなどの現象を解明する手がかりとなると期待されています。

シグマ粒子の研究は、高エネルギー加速器を用いた実験によって行われています。これらの実験では、高エネルギーの粒子を衝突させ、生成される様々な粒子を検出することで、シグマ粒子の性質や反応を詳しく調べます。

参考文献

C.Amsler et al. (2008). “Review of Particle Physics”. Physics Letters B (Particle Data Group) 667 (1): 1. doi:10.1016/j.physletb.2008.07.018.
J. G. Körner, M. Krämer, and D. Pirjol (1994). “Heavy Baryons”. Progress in Particle and Nuclear Physic 33: 787–868. doi:10.1016/0146-6410(94)90053-1. arXiv:hep-ph/9406359.
T. Aaltonen et al. (2007a). “First Observation of Heavy Baryons Bottom Sigma and Bottom Sigma”. Physical Review Letters (Collider Detector at Fermilab Collaboration) 99: 202001. doi:10.1103/PhysRevLett.99.202001. arXiv:0706.3868.

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