シサク

シサク：クロアチアの歴史と文化が交差する都市

シサクは、クロアチア中央部のシサク＝モスラヴィナ郡に位置する都市です。クパ川、サヴァ川、オドラ川の合流地点という地理的な要衝にあり、首都ザグレブから南東へ約57kmの距離にあります。およそ2500年の歴史を持ち、クロアチア史において重要な役割を果たしてきました。

地理

シサクは、標高約99mのポサヴィナ（サヴァ川盆地）の始まりに位置します。クロアチア最大の川港があり、川船の造船中心地としても知られています。主要道路のザグレブ＝シサク＝ペトリニャ線や、鉄道のザグレブ＝シサク＝スニャ線が通り、交通の便も良い地域です。

歴史

シサクは、その地理的条件から、古くから重要な都市として発展しました。ローマ帝国時代にはシスキア（Siscia）と呼ばれ、キリスト教の殉教者である聖クイリヌスが処刑された地としても知られています。聖クイリヌスは、シサクの守護聖人として崇められています。

16世紀には、旧市街に三角形の要塞が建設されました。この要塞は、1593年のシサクの戦いで、クロアチアとカルニオラの連合軍がオスマン帝国に勝利した場所として有名です。この戦いは、ヨーロッパにおいてオスマン軍が初めて大きな敗北を喫した戦いとして、歴史的な意義を持っています。当時、ヨーロッパ最強と恐れられたオスマン軍を打ち破ったクロアチア人バン、エルデーディ・タマーシュは、ヨーロッパ中にその名を轟かせました。

しかし、第二次世界大戦中には、シサク児童強制収容所が設置され、多くのセルビア人、ロマ人、ユダヤ人の子供たちが命を落としました。

文化と観光

シサクには、マリ・カプトル宮殿（バロック様式）、ヴェリキ・カプトル（古典主義）、クパ川に架かるスタリ・モスト（古い橋）、民族学博物館など、多くの観光スポットがあります。これらの場所は、多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。

統計

2001年の調査によると、シサクの人口は52,236人でした。その内訳は、クロアチア人が83.09%、セルビア人が7.46%、ボシュニャク人が1.52%、ロマ人が0.83%、アルバニア人が0.29%、モンテネグロ人が0.08%となっています。宗教人口は、カトリック教会が41,204人、正教会信徒が3,801人、イスラム教徒が2,537人です。

経済

シサクの主な産業は、農業、金属工学、化学、製革、織物、食品加工、建設資材、石油精製、火力発電などです。クロアチア最大の金属工学工場と石油精製所があります。また、シサクは豊富な鉱泉にも恵まれており、温泉を楽しむことができます。

姉妹都市

シサクは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

ガブロヴォ (ブルガリア)
ハイデンハイム (ドイツ)
レムヒンゲン (ドイツ)
ソンバトヘイ (ハンガリー)
レスノ (ポーランド)
イフラヴァ (チェコ)

シサクは、豊かな歴史と文化、そして美しい自然に恵まれた魅力的な都市です。クロアチアを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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