シスコシステムズ

シスコシステムズ

概要

シスコシステムズ（Cisco Systems, Inc.）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼに本社を構える世界最大のコンピュータネットワーク機器メーカーです。略称の「シスコ」は、創業地のサンフランシスコに由来しています。企業のロゴは、著名なゴールデン・ゲート・ブリッジを象徴する2つの塔で構成されています。

設立と初期の歩み

シスコは1984年12月に、スタンフォード大学のコンピュータ管理を担当していたレオナルド・ボサックとその妻サンディ・ラーナーによって設立されました。彼らはスタンフォードで使用されていた「Blue Box」ルータを模した初の製品を開発し、マルチプロトコルルータソフトウェアを流用する形で、Cisco IOSの基盤を作り上げました。シスコ設立初期のチームには、Kirk LougheedやGreg Satzなども参加し、同社は1987年に株式を公開、NASDAQに上場しました。

その後、シスコはマルチネットワークプロトコルに対応したルータの開発を進め、特に標準的なCPUベースのアーキテクチャを採用し、ソフトウェアアップグレードの機会を増やすことで、時代の技術ニーズに応じた製品を提供してきました。

ルーティングとスイッチング

シスコは1992年から1994年にかけて、KalpanaやGrand Junctionなどの企業を買収し、イーサネットスイッチング分野に進出しました。この期間、シスコはレイヤ3ルーティングとレイヤ2スイッチングの補完的な機能を兼ね備えた製品を展開。1990年代後半にインターネットが急成長する中、シスコはコアGSRルータを導入し、市場での地位を確立しました。

2000年には、全盛期に時価総額が5000億ドルを超え、地位を強固にしました。しかし、この成功の裏には、競争が激化する中で、Juniper Networksなどの新たな企業の登場もありました。シスコはこの競争に対応すべく、ASICや高速処理カードの導入、また新しいハイエンドハードウェアへの移行を進めました。

成長と転換期

2006年には「ヒューマンネットワーク」と称したブランド変更キャンペーンを開始し、消費者市場へのアプローチを強化しました。さらに、クラウドやモバイル技術への移行に伴い、さまざまな企業を買収して成長を図りました。特に、2012年以降はNDS社やSourcefire社の買収を行い、クラウドおよび安全保障分野へのシフトを進めました。

国際的な取り組みとイノベーション

シスコは、世界中でのデジタル化推進のために多くの投資を行い、特にIoTやエッジコンピューティングに力を入れています。また、2014年にはIoE市場でのスタートアップ企業への投資を結集しました。日本市場においても、デジタルトランスフォーメーション（DX）を促進するプロジェクトに取り組み、各分野での協力を進めています。

現在の姿

シスコは、コラボレーション、セキュリティ、エンタープライズネットワーク、データセンターなど幅広い分野で製品とソリューションを提供しています。特に、Cisco Webexなどのクラウドサービスやセキュリティソリューションにおいて、企業の成長を支える重要な役割を果たしています。シスコシステムズは、今後もデジタル社会の進化を先導し、さらなる成長を目指しています。

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