シスコン王子

シスコン王子

『シスコン王子』は、藤子不二雄（安孫子素雄）が描いた漫画作品であり、同名の人形アニメーションも製作されました。この作品は、1963年から1964年にかけて連載され、テレビ放送も行われたことから、多くのファンに親しまれました。

制作背景

1963年、シスコ製菓（現在の日清シスコ）のCMキャラクター「シスコン坊や」を主題としたテレビ映画の企画が立ち上がりました。この企画では、藤子不二雄に漫画とシノプシスの執筆が依頼されました。彼はその後、シノプシスを夏頃に提出し、「シスコン王子」という新たなキャラクターを生み出しました。面白いことに、この名称はコーンフレークの「シスコーン」に由来しており、シスターコンプレックスとは関係ありません。

漫画の連載

漫画『シスコン王子』は、光文社の『少年』で1963年11月号から1964年10月号まで連載されました。この作品は、藤子不二雄名義で発表されたタイアップ漫画であり、その後、複数回にわたって単行本として復刊されています。1989年には藤子不二雄ランドの一環として発売され、さらに2002年と2012年には後継の版としてもリリースされました。

人形アニメーション

テレビアニメ『シスコン王子』は、フジテレビ系列で1963年12月20日から1964年3月27日まで全15話が放送されました。最初の枠内では、日米合作の人形アニメ「ピノキオの冒険」が放送されていましたが、『シスコン王子』が始まるとその放送時間が縮小されました。この人形アニメは、コマ撮り技術を用いたストップモーションで制作され、日本のテレビシリーズでは初めての試みでした。しかし、制作にかかるコストと時間がかさみ、結果的に第15話で打ち切られるという商業的な失敗を経験しました。

物語の概要

物語は、南の島に位置するエース国を舞台に展開されます。この国は、かつては平和でしたが、いつしか世界情勢に影響を与える存在となってしまいました。主人公のシスコン王子は、彼のガールフレンドであるチョコと共にスーパーカー「ポニー号」に乗り込み、悪の勢力と戦います。その中で、彼は「シスコーン」を食べることで知恵を得て、窮地を切り抜けていく様子が描かれています。

登場キャラクター

• - シスコン王子: 声は香椎くに子が担当。エース国の王子で見た目はインディアンに近い。
• - チョコ: 声は北里深雪。シスコン王子のガールフレンドで、父親はエース国の大臣。
• - ゴンガ: エース国の巨体の人物。
• - エース国王: 声は千葉信男。シスコン王子の父親。
• - ノウスロ侍従長: エース国王の側近。
• - ブラックスター: 悪の秘密結社「黒星党」の首領。
• - キャプテン・シークレット: 秘密警察のメンバー。

スタッフ

この作品には、多くの才能あるスタッフも関わっています。脚本を手がけた国府田宏行、監督や演出を担当した浅野龍麿などが名を連ね、アニメーション制作にはスタジオKAIが参加しました。

音楽とその他

主題歌は、作詞が国府田宏行、作曲が佐藤真によるもので、伴久美子とビクター児童合唱団が歌っています。アニメの存在は、当時のテレビの回顧番組などで取り上げられることは少なく、1989年の『テレビ探偵団』で特集された際に第2話の映像が放送された際が記憶に新しいです。

総じて、『シスコン王子』は独自の視点から描かれた冒険物語であり、今でも多くのファンに愛され続けています。

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