シダーポイント

アメリカ合衆国オハイオ州サンダスキーに位置するシダーポイントは、広大な敷地面積約364エーカーを誇る人気アミューズメントパークです。年間およそ310万人もの人々が訪れるこのパークは、アメリカ国内で現在も営業を続けている遊園地としては、レイク・コンパウンスに次いで2番目に長い歴史を持っています。

シダーポイントの最大の特徴は、何と言ってもその圧倒的なローラーコースターの設置数です。2023年時点では16基ものコースターが稼働しており、カリフォルニア州のシックス・フラッグス・マジック・マウンテンに次ぐ世界第2位の数を誇ります。この豊富なラインナップを背景に、パーク自体も「Roller Coaster Capital of the World（ローラーコースターの世界の首都）」というキャッチフレーズを掲げています。シックス・フラッグス系の巨大パークと並び、世界中の絶叫マシン愛好家から絶大な支持を集める施設として知られています。

その評価は高く、特に権威あるアミューズメント専門誌「アミューズメント・トゥデイ」においては、「世界最高のテーマパーク賞」を2013年まで16年連続で受賞するという輝かしい功績を残しています。営業は例年5月中旬から10月末までの季節限定となっており、冬季は休園となります。

主なアトラクション

シダーポイントには多種多様なアトラクションがありますが、やはり核となるのはスリル満点のローラーコースター群です。ここでは、その代表的な機種をいくつかご紹介します。

ローラーコースター

ブルー・ストリーク (Blue Streak): 1964年に導入された木製コースターで、園内に現存する最も古い機種です。古き良きクラシックなライド体験を提供します。
シダー・クリーク・マイン・ライド (Cedar Creek Mine Ride): 1969年導入のハイブリッド型コースター。ユニークな2回の巻き上げが特徴です。
コークスクリュー (Corkscrew): 1976年登場。名称の通り、特徴的なスクリュー回転と垂直ループを備えています。登場当時は世界最速を誇りました。
ゲートキーパー (GateKeeper): 2013年導入のウィングコースター。搭乗者の座席がレールの左右に張り出した独特の形状で、登場時には世界最速・最高を記録しました。
ジェミニ (Gemini): 1978年にデビューしたレーシング型ハイブリッドコースター。2台の車両が並走するユニークな形式で、導入当時は最速、最高、最長記録を持っていました。名称は「ふたご座」に由来します。
アイアン・ドラゴン (Iron Dragon): 1987年導入のサスペンデッド型コースター。座席がレールからぶら下がる形式で、独特の浮遊感を楽しめます。
マグナムXL-200 (Magnum XL-200): 1989年に登場。その名の通り、高さ200フィート（約60メートル）超えを誇り、導入当時は世界最速・最高を記録しました。
ルーガルー (Rougarou): 1996年にスタンディング型として開業した「マンティス」が、2015年にテーマ変更と座席形式のリニューアルを経てフロアレス型となりました。名称はフランス語で「狼男」を意味します。
マーヴェリック (Maverick): 2007年導入。リニアモーターによる驚異的な加速と、園内最大の落下角度95度を誇るファーストドロップが特徴です。「異端者」「一匹狼」を意味する名称が、その革新性を物語っています。
ミレニアム・フォース (Millennium Force): 2000年に登場した、シダーポイントを代表する機種の一つ。導入当時は世界最高、世界最速、そして最大傾斜角を誇る、ギガコースターの先駆け的存在です。
ラプター (Raptor): 1994年導入のインバーテッド型コースター。座席の真上にレールがあり、足がぶら下がった状態で走行します。登場時は世界最高、世界最速、世界最長を記録。かつて日本のエキスポランドにあった「オロチ」と同型です。名称は「猛禽類」を意味します。
スティール・ベンジェンス (Steel Vengeance): 2018年に、かつて存在した木製コースター「ミーン・ストリーク」を革新的な技術でリニューアルして誕生したハイブリッド型コースター。鉄製レールと木製構造を組み合わせたこのコースターは、総エアタイム（体が浮く時間）が27.2秒と世界一を誇るほか、ハイブリッド型としての全長、高度、最高速度など、多くの世界記録を樹立しています。
トップ・スリル・ドラッグスター (Top Thrill Dragster): 2003年導入。スタートから一気に最高速度へ達する急加速が特徴のコースター。登場時には世界最速・最高を記録しました。
ヴァルラウン (Valravn): 2017年導入。大きなドロップを特徴とする、園内初のダイビングコースターです。
ウィキッド・ツイスター (Wicked Twister): 2002年に登場した往復型インバーテッドコースター。登場時はこの形式で世界最高を誇りましたが、残念ながら2021年9月をもって営業を終了しました。
ワイルダーネス・ラン (Wilderness Run): 1979年導入。元々は「ジュニア・ジェミニ」として、ジェミニの年少者向けバージョンとして親しまれていましたが、2013年に名称が変更されました。
ウッドストック・エキスプレス (Woodstock Express): 1999年導入。主に年少者を対象とした、ファミリーで楽しめるコースターです。

その他のスリルライド

ローラーコースター以外にも、高くスイングするものや急降下するものなど、多様なスリルライドがあります。

マックスエアー (maXair)
パワー・タワー (Power Tower)
スカイホーク (Skyhawk)
ウィンドシーカー (WindSeeker)

ウォーターライド

夏場にぴったりのウォーターライドもいくつか設置されています。

シュート・ザ・ラピッド (Shoot the Rapids)
スネーク・リバー・フォール (Snake River Falls)
サンダー・キャニオン (Thunder Canyon)

シダーポイントは、その長い歴史と特にローラーコースターへの情熱において、世界中のテーマパークの中でも独特の地位を確立しています。絶叫マシンをこよなく愛する人々にとっては、一度は訪れたい憧れの地と言えるでしょう。

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