シトロエン・C4ピカソ

シトロエンC4ピカソ/グランドC4ピカソ：ミニバンの歴史と進化

シトロエンC4ピカソとグランドC4ピカソは、フランスの自動車メーカー、シトロエンが製造・販売していたミニバンです。快適な室内空間と先進的な技術を融合したモデルとして人気を博しましたが、2018年にモデル名が変更されました。この記事では、初代と2代目モデルの特徴、歴史、日本での販売状況などを詳細に解説します。

初代C4ピカソ/グランドC4ピカソ (2006年-2013年)

2006年、シトロエンはモンディアル・ド・ロトモビルでグランドC4ピカソを発表。翌2007年にはC4ピカソが登場しました。これらのモデルは、それまでのクサラピカソの後継車種として位置づけられており、PSAグループのスペイン工場で生産されました。

C4ピカソは5人乗り、グランドC4ピカソは7人乗りで、サイズはクサラピカソとC8の中間という絶妙なサイズ感でした。プラットフォームや多くの部品をプジョー307と共有していたことも特徴です。

初代C4ピカソ/グランドC4ピカソの最大の特徴は、その先進的な電子制御システムです。自動パーキングブレーキ、ステアリングコラムに配置されたシフトセレクター、4座独立エアコンなど、当時としては画期的な装備が満載でした。ハンドル中央部が固定式であるデザインも独特です。インテリアには、夜間照明も備わり、高級感と先進的な雰囲気を演出していました。

搭載エンジンは、1.8L/2.0Lガソリンエンジンと1.6L/2.0LのHDiディーゼルエンジンが用意され、トランスミッションは4速AT、5速MT、6速セミATが選べました。サス[[ペンション]]は基本的にコイルスプリングでしたが、リアにはエアサス[[ペンション]]オプションも設定されていました。

大きなグラスルーフは、開放感と視界の良さを実現しただけでなく、高い安全性能も確保しており、ユーロNCAPで5つ星を獲得しました。

日本市場への導入は2007年5月。7人乗りの2.0Lガソリンエンジンモデルが「C4ピカソ」として発売されました。ハイドラクティブは設定されませんでしたが、リアエアサス[[ペンション]]は搭載されました。その後、価格改定や廉価版の追加、エンジン換装、マイナーチェンジなどを経て、2012年12月に日本での販売は終了しました。

2代目C4ピカソ/グランドC4ピカソ (2013年-2018年)

2代目モデルは、2013年3月のジュネーブモーターショーで公開されたコンセプトカー「テクノスペース」をベースに、翌年4月に発表されました。PSAグループの新開発モジュラープラットフォーム「EMP2」を採用し、軽量化と燃費向上を実現しました。先代で設定されていたエアサス[[ペンション]]は廃止されました。

2代目では、C4ピカソとグランドC4ピカソの外観の違いは、ホイールベースや乗車定員だけでなく、ボディシェルの形状やフロントマスクにも及ぶようになりました。しかし、パワーユニットは基本的に共用されていました。

インテリアは、多彩なシートアレンジが可能な点が大きな特徴でした。折りたたみ式の機能によって、2列目と3列目のシートを折りたたんでフラットな荷室空間を確保できました。また、12インチのパノラミックスクリーン（有機ELディスプレイ）と7インチタッチスクリーンによる先進的なインフォテインメントシステムが搭載され、高い視認性と操作性を両立していました。

パワーユニットは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンが用意されました。特に、「e-HDi 90エアドリーム」ディーゼルエンジンは、優れた燃費性能を誇り、ハイブリッド車を除く小型MPVとして初めてCO2排出量100g/km以下を達成しました。トランスミッションには、アイシンAW製の6速AT「EAT6」が採用され、信頼性と耐久性が向上しました。

日本市場には、2014年10月に導入されました。今回は、5人乗りモデル「C4ピカソ」と7人乗りモデル「グランドC4ピカソ」の2種類が設定されました。パワーユニットは、1.6L直噴ツインスクロールターボエンジン+EAT6の組み合わせでした。2016年には後期型が登場し、2018年には「C4スペースツアラー/グランドC4スペースツアラー」に改名され、ピカソの名称は消滅しました。これは、ピカソ財団との契約更新が成立しなかったためです。2019年には5人乗りモデルの販売が終了しました。

まとめ

シトロエンC4ピカソ/グランドC4ピカソは、革新的な技術と快適な空間を両立させたミニバンとして、多くのユーザーから支持されました。その歴史と進化は、自動車技術の進歩を象徴するものです。モデル名の変更後も、その遺伝子は後継モデルに受け継がれていると言えるでしょう。

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