シドニー・ゴドルフィン (初代ゴドルフィン伯)

初代ゴドルフィン伯シドニー・ゴドルフィン

初代ゴドルフィン伯シドニー・ゴドルフィン（Sidney Godolphin, 1st Earl of Godolphin, KG, PC, 1645年6月15日 - 1712年9月15日）は、英国家の歴史において重要な役割を果たした貴族・政治家です。彼はステュアート朝の5人の天皇に仕え、特にアン女王の治世ではその側近として大きな影響を持っていました。

生涯とキャリアの初期

ゴドルフィンは1645年、コーンウォールでフランシス・ゴドルフィンの子として生まれました。1665年には下院議員として政治の世界に足を踏み入れ、1668年にはチャールズ2世の特使として国際交渉に参加しました。この役割を通じて、彼は名声を得て、王から寝室付き侍従として厚遇されました。また、実業家としても成功し、コーンウォールの錫鉱山を貸与されることで財を成しました。

その後も彼は政治家としての地位を強化し、1679年に枢密院に入りました。そして、第一大蔵卿のローレンス・ハイド卿やサンダーランド伯ロバート・スペンサーと共に、新たな内政の中核を担うことになりました。私生活では1675年に結婚した妻マーガレットの死去を耐え、再婚はしませんでした。

名誉革命とその後の政治

1688年、ウィレム3世のイングランド侵攻という歴史的な出来事が起こります。この時期、ゴドルフィンは恐れずにジェームズ2世に仕え続けました。ウィレム3世の到着後、彼は暫定政権の一員となり、ロンドンの治安維持に努めます。その後、ウィレム3世が即位すると、彼は財務官僚としてその位置を保持し続けました。

しかし、1696年にジャコバイトの陰謀に巻き込まれた際、彼は一時的に辞任を余儀なくされるも、再び第一大蔵卿に復帰します。このような彼の政治手腕は、彼の周囲の信任を受ける要因ともなっていました。

アン女王の治世

1702年、アン女王が即位すると、ゴドルフィンは彼女の側近として再び政界に参画。特に彼はスペイン継承戦争において、マールバラ公を支援する政策を決定しました。彼は自らの穏健派の立場を維持しつつ、トーリー党とホイッグ党の間でのバランスを取ろうとしましたが、これが彼の政権を揺るがす一因ともなりました。

特に1705年からホイッグ党が再び力を得ると、ゴドルフィン政権はじょじょにホイッグ党中心にシフトします。この間、彼は国論を統一しようと努力するも、閣僚間の対立やアン女王との信頼関係が徐々に悪化していきました。

政権の崩壊と晩年

1710年には大蔵卿を更迭され、次第に政権を失っていきました。その後、トーリー党が政権を取り戻した際も、彼は影響力を失いながらも新たなトーリー政権の中で重要な役割を果たしました。最終的に彼は1712年に67歳でこの世を去り、彼の爵位は息子フランシスに引き継がれました。彼は政治的関係や家族関係を通じて、後の歴史に大きな影響を与え続けた存在となります。

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