スペイン継承戦争

スペイン継承戦争

スペイン継承戦争（1701年 - 1714年）は、スペイン王位の継承者を巡る国際的な対立によって引き起こされる戦争でした。この戦争の結果として、ヨーロッパの国際関係や勢力図に大きな変化がもたらされました。

背景と発端

フランス王ルイ14世は、領土拡大を進める中で数々の戦争を戦いましたが、周辺諸国の反発を受け、一部の小規模な成果しか上げることができませんでした。特に、1697年のレイスウェイク条約によってフランスは事実上の敗北を喫し、このことが後のスペイン王位を巡る争いに繋がります。

当時のスペインでは、虚弱なカルロス2世の死去が近いとされており、王位の継承に関する疑問が浮上していました。彼の後継者として候補に挙がったのは、フランス王家のルイ14世の孫であるアンジュー公フィリップ、そしてオーストリア・ハプスブルク家のカール大公でしたが、スペインとオーストリアの合邦には圧力がかかり、フランスの介入が増大しました。

戦争の引き金

1700年、カルロス2世が死去し、彼の遺言によりアンジュー公フィリップがスペイン王フェリペ5世として即位しますが、フランスとスペインの合併を懸念した他国はこれに反発し、戦争が始まることになります。特にイギリスのウィリアム3世はハーグで対フランス大同盟を結成し、戦争の準備を整えました。

戦局の推移

最初の戦闘はオーストリア軍のスペイン領ミラノへの進撃で始まり、その後イギリス軍も軍を派遣します。マールバラ公が率いる連合軍がフランドルや南ドイツでフランス軍に勝利を収め、特にブレンハイムの戦い（1704年）はフランスに大きな打撃を与えました。一方、スペイン国内ではカタルーニャやアラゴンからの抵抗が強く、フェリペ5世の支持基盤が全国に広がっていく一方、内部分裂を抱えていました。

オーストリア側は1705年から1706年にかけてイタリア戦線でも活躍し、トリノを巡る戦闘ではオイゲン公がフランス軍に勝利を収めました。しかし、戦局は次第に膠着し、各国の民間人や兵士たちが戦争に疲弊していきます。

和平への道

戦闘が長引く中、イギリス国内でも和平を求める声が上がりました。1711年にマールバラ公が失脚し、イギリスの政権が変わると、和平交渉が進展します。1713年、ユトレヒト条約が締結され、スペイン王位はフェリペ5世に承認される一方で、オーストリアには他の領土が割譲されることが合意されました。

戦争は1714年に完全に終結し、フランスとオーストリアの間のラシュタット条約によって、さらなる和平が成立しました。この結果、ヨーロッパにおける国際関係は新たな段階へと進むこととなります。戦争はまた、イギリスにハノーヴァー朝の成立をもたらし、ドイツの王政に影響を及ぼすことになります。

結論

スペイン継承戦争は、国際的な連合と争いの中で展開され、結果的にヨーロッパの勢力バランスに変化をもたらしました。反フランス同盟が一定の成果を上げたものの、フェリペ5世の即位が承認となり、フランスの影響力が完全に排除されることはありませんでした。この戦争を通じて得た教訓が、後の国際関係形成や戦争への姿勢に影響を与えることとなったのです。

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